新長田まちなか勉強会

神戸市の新長田で、映画、音楽、本、地図、芸能、あらゆる “もの” を通して、古今東西の社会情勢や歴史、背景などを楽しく勉強しましょう。表面的な出来事の背後にある大切なものを見る目を養い、みんなで話し合うことによりたくさんの異なる視点を得ることができます。実際は、わいわい楽しみながら感想を語り合いつつ社会問題に迫っていく感じ。

2021-01-01から1年間の記事一覧

第83回 サッチャー時代の人間の誇りが胸にせまる「ブラス!」

2021年もたくさんの方にお越しいただきました。ありがとうございました。コロナ禍の真っ只中の1年でしたが、3密を避ける、換気、消毒を徹底して、開催することができました。隙間風が寒かったり、外が騒がしかったりなどのご不便をおかけしましたが、ご理…

第82回 即興演出で鮮烈なデビュー ジョン・カサヴェテス『アメリカの影』

12月の映画のお知らせです。「音楽の楽しさとともに」シリーズ3回目は、ジャズが流れる映画です。 アメリカの影 【Shadows】 監督:ジョン・カサヴェテス 1959年 アメリカ映画 87分 <あらすじ> マンハッタンに住む黒人と白人の混血三兄妹。外見が黒人の売…

第81回 ブラックユーモアで戦争批判ミュージカル『素晴らしき戦争』

「音楽の楽しさとともに」シリーズの第1弾『バンディッツ』では、映画の主題である囚人の脱走を表層的にとらえず、悪とはなにか、社会に不必要と烙印を押されている人にもそれぞれ思いや希望がある、ということまで話し合いました。この映画6回目!という大…

第80回 新シリーズ「音楽の楽しさとともに」の第1作目を飾る『バンディッツ』1997

次回の映画会のお知らせです。新しいシリーズが始まります。新シリーズ「音楽の楽しさとともに」では、映画の中に音楽がふんだんに使われている6作品を選びました。 第1回目はロックです。さながらMTVを2時間で撮ってみました的な作品で、音楽もストーリー…

第79回 ソ連の監視社会を抜け出した女『イースト/ウエスト 遥かなる祖国』

次回の映画会のお知らせです。「ヨーロッパ辺境の輝きふたたび」シリーズ最終回は、冷戦時代のソ連を舞台に、フランス人女性の数奇な運命を描いた叙事詩的作品です。 イースト/ウェスト 遙かなる祖国【EST-OUEST】監督:レジス・ヴァルニエ1998年 フランス…

第78回 ポーランドの特殊な政治状況下を叙述した推理ドラマ『影』

「ヨーロッパ辺境の輝き再び」シリーズが続いています。 前回の「ブラックブック」は2時間25分の長丁場を全く飽きさせず、ポール・バーホーベン監督の手腕が楽しめたのではないでしょうか。一番最後のシーンは、キブツにイスラエル軍が駐屯している場面で終…

第77回 『ブラックブック』いつ裏切り者に気づきました?私はラストです。

来月の映画のお知らせです。「ヨーロッパ辺境の輝き・再び」シリーズ第4弾。少々わかりにくい作品が続きましたので、ハラハラドキドキが楽しめるサスペンス・スペクタクル映画を選びました。 ブラックブック 【Zwartboek】 ポール・バーホーベン監督 2006年 …

第76回 ソヴィエト当局を怒らせて映画制作を禁じられた「つながれたヒバリ」

前回は緊急事態宣言の指針に基づいて、消毒と換気に気をつけてなんとか無事開催ができました。電車に乗るのも怖いとう人もいる中、たくさんお集まりいただきありがとうございました。感想会では、皆さんがさまざまな解釈をされてることがわかり、楽しいひと…

第75回 3つの話がパズルのように合わさる「そして、私たちは愛に帰る」

緊急事態宣言は延長されましたが、それに伴い兵庫県ではイベントの開催が収容人員の50%以下に緩和されましたので、予定通り、5月16日に新長田まちなか勉強会を開催いたします。 会場では、机・椅子・ドアノブの消毒を徹底し、入場時の手指の消毒、マスク着用…

第74回 運命と人生を描くキェシロフスキ監督『偶然』

来月から新シリーズ<ヨーロッパ周縁の輝き再び>が始まります。ヨーロッパの周縁の輝きシリーズは2回目になりました。再びと題して、ポーランドの映画を取り上げます。 偶然【Przypadek】クシシュトフ・キェシロフスキ監督1981年 ポーランド映画 119分 「運…

第73回 ゴヤの目を通してみた18世紀末のスペイン『宮廷画家ゴヤは見た』

次回の作品はスペインシリーズの最終回です。 宮廷画家ゴヤは見た【Goya's Ghosts】監督:ミロス・フォアマン2006年 スペイン・アメリカ映画 114分 前回の「カラスの飼育」では、カラスの意味や感受性の強い子どもの話など、みなさんの鋭いご指摘でいろいろ…

第72回「カラスの飼育」子どもはいろいろと見て吸収している

前回の「大地と自由」にはコロナウイルスが猛威を振るう中、たくさんの方に来ていただき本当にありがとうございました。また観賞後の感想会では、スペインの人民戦線の中でもいろいろな思想・政党があり、それぞれが他方を排除し弾圧した結果、壊滅に至った…

第71回 ケン・ローチ監督の描くスペイン内戦『大地と自由』

あけましておめでとうございます。昨年は新型コロナが猛威をふるい、悲しいニュースもありました。今年は早く収束し、元の日常が戻ることを願っています。 次回の映画会のお知らせです。 スペイン映画シリーズ第3弾 大地と自由 【Land and Freedom】 監督:…

第70回 『サルバドールの朝』真っ直ぐな心が周りの人を取り込む

新型コロナのせいではありませんが、12月の映画会のお知らせをアップしたつもりが、できていませんでした。記録のために、題名と日程とあらすじ、みなさんの感想を載せておきます。申し訳ありませんでした。 スペイン映画シリーズの第二弾として、 サルバド…