新長田まちなか勉強会

神戸市の新長田で、映画、音楽、本、地図、芸能、あらゆる “もの” を通して、古今東西の社会情勢や歴史、背景などを楽しく勉強しましょう。表面的な出来事の背後にある大切なものを見る目を養い、みんなで話し合うことによりたくさんの異なる視点を得ることができます。実際は、わいわい楽しみながら感想を語り合いつつ社会問題に迫っていく感じ。

2020-01-01から1年間の記事一覧

スペイン独裁政権下の不安を少女の幻想の中で描く『パンズ・ラビリンス』

11月の新長田まちなか勉強会のお知らせです。さて、来月から新シリーズが始まります。スペインシリーズです。スペイン人の監督やスペインを舞台にした映画を取り上げていきます。スペイン映画は、今までにもいろいろなシリーズの1つとして観てきましたが、…

『廿日鼠と人間』搾取される側は永遠に不安定

世界の文学シリーズ最後の作品のお知らせです。今回も前回に引き続き白黒映画です。結局カラー作品は『紅いコーリャン』だけでしたね。白黒は眠たくなるという人もいるそうですが、前回の『人間の運命』でも、主人公の波乱万丈の“人間の運命”にハラハラしな…

『人間の運命』戦争に運命を翻弄された男の幸せは

猛暑日が続いていますが、みなさんお元気でお過ごしでしょうか。前回の「紅いコーリャン」ではいろいろな感想が出ましたね。抗日色が強いと思った人、そうでもないと思った人、受け取り方はさまざまです。どの国においても、侵略した方はされた方にどんな酷…

第66回『紅いコーリャン』チャン・イーモウの色彩で莫言の土着伝説を彩る

前回の『レベッカ』鑑賞後、みなさんの感想を聞いていてわかったのですが、主人公を追いつめる恐怖が映画では描き切れてなかったようですね。私は小説も読んでいるのでヒロインの心理がわかって見ていましたが、夫がいつまでもレベッカを愛しているという疑…

第65回 デュ・モーリアの美しい描写をどこまで映像化できるかヒッチコック『レベッカ』

新型コロナの感染が怖い中、世界の文芸シリーズ第1回目『リア王』にたくさんお集まりいただきありがとうございました。これからも感染防止のため、扉、窓の開放、座席の間隔を広げる、テーブルの除菌、入り口での手の消毒など、皆さんに安心してお集まりいた…

5/17開催予定の 『リヤ王』延期の知らせ

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、5月17日に予定しておりました新長田まちなか勉強会開催の『リヤ王』の上映会を6月21日に延期いたします。 すでに予定を空けてくださっていた方には心よりお詫び申し上げます。 新しいシリーズで6月にお会いできるのを…

第64回 世界の名作文学シリーズ始まります『リア王』

第1回目はシェークスピアを取り上げました。数ある『リア王』の映画化の中でも最高峰だと思います。 リア王 監督: グリゴーリー・コージンツェフ 1970年 ソ連映画 130分 新型コロナウィルス禍で、会合が難しい状態になってしまいました。4月5日の勉強会は悩…

第63回『さよなら、アドルフ』いい邦題つけましたね

ドイツシリーズ最終回のお知らせです。ドイツを題材にした映画といえば「嫌なナチスvs.かわいそうなユダヤ人」という作品によく出会いますが、そんな簡単な図式を選ばないように気をつけながらこの半年間作品選びをしてきました。そして最終回はホロコースト…

第62回 完璧な映像世界でナチズムへの予言を観る者に突きつける『白いリボン』

次回の映画会のお知らせです。2020年は、ドイツ映画シリーズ第4回の『みえない雲』で幕開けしました。なるべくハリウッド映画が描くようなステレオタイプの<ヒトラーvs.ユダヤ人もの>が並ばないようしています。さて次回は、なぜファシズムを生み出す社会…