新長田まちなか勉強会

神戸市の新長田で、映画、音楽、本、地図、芸能、あらゆる “もの” を通して、古今東西の社会情勢や歴史、背景などを楽しく勉強しましょう。表面的な出来事の背後にある大切なものを見る目を養い、みんなで話し合うことによりたくさんの異なる視点を得ることができます。実際は、わいわい楽しみながら感想を語り合いつつ社会問題に迫っていく感じ。

2024-01-01から1年間の記事一覧

第119回 『カサブランカ』ヴィシー政権下の人間模様

今年もたくさんの人にご来場いただき、とても有意義な勉強会となりました。ありがとうございました。その筋に詳しい人の話、素朴な疑問、共感、反発、すべてがとても楽しいです。 来年も引き続き楽しい会にいたしましょう。 次回の映画会のお知らせです。前…

第118回 『ルシアンの青春』たまたま入ったところがゲシュタポ

前回の『ブリキの太鼓』はあまりにも有名すぎて、「観たことあるよ」で済ませていましたが、みなさんの感想を聞いて、やはり名作と言われる所以がわかりました。 特に嶋田さんが解説でおっしゃった「玉ねぎの皮」の意味がよくわかりました。皮かと思って剥い…

第117回 少年の目で見たナチスの台頭『ブリキの太鼓』

シリーズ「戦時下の視点」の第2回目のお知らせです。 第1回目の『若き獅子たち』では、若者3人のそれぞれの軍隊生活を通して、戦争がいかに馬鹿馬鹿しいかを実感できました。この映画は主人公だけでなく、彼らを取り巻く人間にもいろんな人がいて、それぞれ…

第116回『若き獅子たち』若者三人のそれぞれの戦争体験

次回の映画会のお知らせです。新しいシリーズ「戦時下の視点」が始まります。戦争そのものを描く映画ではなく、戦争の時における人間性についていろいろ考えさせられる映画を選びました。フィクションは「真実を伝えるための嘘」と言いますが、登場人物の視…

誰が何から復活するのか『復活』1962年

次回の映画会のお知らせです。『名作を映画化してみる』シリーズもついに最終回となりました。オリジナルが小説、戯曲、神話などを取り上げてきましたが、オリジナルの方がいいという声もたくさんありましたね。借りている会場が「劇団どろ」ということもあ…

第114回 舞台俳優の演技が光る『欲望という名の電車』

次回映画会のお知らせです。「名作を映像化してみる」シリーズもあと2回となりました。いろんな元ネタを映像化した作品を選んでいますが、前回の『王女メディア』では「はっきり言ってこれは失敗作だ」という言葉まで飛び出し、皆さんのなかなか鋭い意見を聞…

第113回 歌わないマリア・カラスの演技が素晴らしい『王女メディア』

次回映画会のお知らせです。 元作品を映像化してみるというシリーズも第4回目となりました。前回の『第三の男』は、モノクロで表現した映像が美しく、思わず引き込まれてしまいました。何度も見て結末を知っているにもかかわらず、見るたびに映像から目が離…

第112回 『第三の男』は小説より映像が勝ち

次回映画会のお知らせです。「名作を映画化してみたら」シリーズをお送りしています。前回はシェイクスピア劇の映画化でした。芝居は背景などいりませんが、映画ではヴェネチアの運河やイタリア式庭園の城、16世紀のインテリアなど見応えがありましたね。ま…

第111回 シェイクスピアの思惑とは違う演出『ヴェニスの商人』

次回の映画会のお知らせです。名作を映画化してみるシリーズの第1回目「ベニスに死す」はいかがでしたか?トーマス・マンの「ベニスに死す」では、主人公が美少年タージオに惹かれていく様子がずっと描かれていました。映画では、友人と美について論争する…

第110回 『ベニスに死す』小説を映像化する時の監督の思惑

アメリカシリーズが終わりました。このシリーズを通してアメリカの光と影を見ることができたと思います。 さて、新しいシリーズは、題して「名作を映画化してみると」です。以前「世界の名作文学シリーズ」で映画化された小説を取り上げました。小説を読んで…

第109回アメリカのメタファー第2弾『マンダレイ』

次回の映画会のお知らせです。 ついにアメリカシリーズが最終回となりました。前回の『ドッグヴィル』はアメリカシリーズなのにデンマークの監督でしたが、実によくアメリカの縮図になっていたと思います。よそ者はここの文化を受け入れ、みんなに気に入られ…

第108回芝居の手法で正義を振りかざすアメリカを描く『ドッグ・ヴィル』

次回の映画会のお知らせです。アメリカシリーズ第5作目はデンマークの監督ラース・フォン・トリアーによるアメリカを舞台にした映画です。アメリカのドッグヴィル(犬の村)という名の村で起こったできごとを描くことで、自分が正しいと思っている普通の人々の…