「ヨーロッパ辺境の輝き再び」シリーズが続いています。
前回の「ブラックブック」は2時間25分の長丁場を全く飽きさせず、ポール・バーホーベン監督の手腕が楽しめたのではないでしょうか。
一番最後のシーンは、キブツにイスラエル軍が駐屯している場面で終わりましたね。ナチスが奪ったユダヤ人の金品宝石を取り戻し、それでイスラエルにキブツを作った主人公は素晴らしい、というユダヤ人賛歌で終わせなかったことがバーホーベン監督の上手いところですね。この後イスラエル軍がパレスチナをどんどん侵略していきます。
そのことを知らない人は兵士の意味がわからなかったかもしれませんが、知ることで世界が広がると思います。
では、次回の映画会のお知らせです。
影
【Cien】
監督:イエジー・カヴァレロヴィッチ
1956年 ポーランド映画 94分
第二次世界大戦期・戦争直後・現在(=スターリン主義時代1950年代)というポーランドの歴史上特殊な政治的状況を描いた社会派サスペンスです。
<あらすじ>
1950年代。田舎道で車を走らせていた男女のカップルが、列車から飛び降りる男を目撃する。警察に届けると、検死の医者が戦時中のある事件を思い出して回想する。
無賃乗車の青年が捕まり、彼は列車から飛び降りた男の上着を持っていた。青年を取り調べる公安省の役人は戦争直後のある事件を思い出し、回想する。
無賃乗車の青年が供述を始めると・・・
今ではよくある叙述形式のサスペンスドラマですが、時制を行ったり来たりして核心に迫っていくカヴァレロヴィッチ監督の手法が楽しめます。
1956年カンヌ国際映画祭正式出品作品
兵庫県は蔓延防止等重点措置の対象ですが、換気をよくし、消毒をきちんと行って開催いたします。暑い毎日が続きますので、体調に気をつけてお越しください。
日時 : 2021年8月22日(日) 15:00 事前の申し込みは必要ありません
場所 : 新長田小劇場 :劇団どろアトリエ改メ
(新長田アスタくにづか5番館2階奥)
地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
新長田駅から大正筋を南へ10分
参加費 : 500円(会場使用料として)