新長田まちなか勉強会

神戸市の新長田で、映画、音楽、本、地図、芸能、あらゆる “もの” を通して、古今東西の社会情勢や歴史、背景などを楽しく勉強しましょう。表面的な出来事の背後にある大切なものを見る目を養い、みんなで話し合うことによりたくさんの異なる視点を得ることができます。実際は、わいわい楽しみながら感想を語り合いつつ社会問題に迫っていく感じ。

第100回 『白バラの祈り:ゾフィー・ショル最期の日々』で信念の意味を考えてみる

新長田まちなか勉強会が100回目を迎えます。
第1回は2015年4月26日ですから、あれから8年2か月経ったのですかぁ。感慨深いですね。
劇団どろの芝居小屋の家賃が大幅に値上げされたため、それを少しでも補おうと始まりましたが、新しいメンバーも増え、とても楽しい会になっています。

毎回参加していて感じるのは、参加者のいろんな指摘で作品の内容が重層的になるということです。
特に内容がよくわからない作品は、ちょっとずつ意見を出し合って謎が解けたりします。
登場人物の心中も、参加者それぞれが違う見方をしているので、そこが面白いですね。
みなさんの感性や知識に感心させられます。インターネットのトンチンカンな口コミ映画評とは一線を画しています。

さて、記念すべき100回目は

 白バラの祈りゾフィー・ショル最期の日々
 【Sophie Scholl – Die letzten Tage】
 監督:マルク・ローテムント
 2005年 ドイツ映画 120分

<あらすじ>
1943年、ヒトラー打倒を叫び市民に自由を呼びかけたグループ「白バラ」のゾフィーは、兄とともに大学構内に反戦ビラを撒き逮捕される。
厳しい尋問にも屈せず、自分の考えを堂々と述べ信念を貫く21歳、最期の5日間を描く。

この作品は近年発見された尋問の記録を元に作られたそうです。映画で尋問官とゾフィーが喋っている会話は実際に交わされた言葉なのですね。そう思うと彼女の信念は素晴らしい。尋問官も別の意味で信念を持っているので、かなり巧みにナチスの論理を展開しています。
ちょうど同年齢22歳で処刑されたイルマ・グレーゼのことも引き合いにしましょう。看護婦になりたかったためにヒトラー・ユーゲントの幹部を希望しますが、幹部の指示で親衛隊へ、さらにアウシュヴィッツ収容所の看守になります。

信念、自分の考えとは・・・
ナチスは悪いだけの感想にとどまらず、みなさんのいろんな意見をお聞きしたいです。
100回記念が楽しい論議になりそうです。
ぜひお越しください。

  日時 : 2023年6月25日(日) 15:00 事前の申し込みは必要ありません
  場所 : 新長田小劇場 :劇団どろアトリエ改メ
     (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
      新長田駅から大正筋を南へ10分
  参加費 : 500円(会場使用料として)