新長田まちなか勉強会

神戸市の新長田で、映画、音楽、本、地図、芸能、あらゆる “もの” を通して、古今東西の社会情勢や歴史、背景などを楽しく勉強しましょう。表面的な出来事の背後にある大切なものを見る目を養い、みんなで話し合うことによりたくさんの異なる視点を得ることができます。実際は、わいわい楽しみながら感想を語り合いつつ社会問題に迫っていく感じ。

第88回 最低限食べていけたらじゃないよね。『ブレッド&ローズ』

次回の映画会のお知らせです。
ケン・ローチ監督作品を6本続けて鑑賞しようというシリーズ第3弾は、監督が初めてアメリカで撮影をした作品です。

 ブレッド&ローズ
 【Bread and Roses】
 監督:ケン・ローチ
 2000年 イギリス映画 110分

 スペインシリーズの時に『大地と自由」、このシリーズが始まって『ケス』『マイ・ネーム・イズ・ジョー』と、全く労働者問題を扱っていないケン・ローチ作品ばかり見てきましたので、次はいよいよ移民労働者に焦点を当てた作品を一緒に見たいと思います。

<あらすじ>
メキシコからロサンゼルスへ不法入国し、姉ローサが暮らす家に身を寄せたマヤ。ローサと同じビル清掃の仕事を始めた彼女は、若いアメリカ人の活動家サムと出会い、移民労働者の不当扱いに対するデモに参加する。運動の輪は次第に広がっていくが、貧しくとも平穏な生活を望むローサとは亀裂が生じ始める。
 
 悪条件でも、不法滞在のためその条件を飲むしかない移民労働者。私も非正規雇用なので、彼らの気持ちがよくわかります。正規職員に何も言えない職場です。職は失いたくないからね。マヤの言っていることは正論ですが、ローサの言っていることも理解できます。
 
 だから生きるための食料(ブレッド・パン)も必要ですが、最低限の食べ物だけではなく、幸せや尊厳(ローズ)が必要だと言っているのでしょうね。
 
 ケン・ローチ監督はハリウッドの地で、ハリウッド俳優専門弁護士をやっつけるという洒落っ気を出しているのも楽しいです。決して上から目線ではなく、現代社会のひずみを批判している描き方が素晴らしい。
 
 いろいろな活動、経験をされてる皆さんから、たくさん意見や感想を伺いたいと思います。どうぞお越しください。会場は引き続き換気と消毒に努めます。

 日時 : 2022年6月19日(日) 15:00 事前の申し込みは必要ありません
  場所 : 新長田小劇場 :劇団どろアトリエ改メ
     (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
      新長田駅から大正筋を南へ10分
  参加費 : 500円(会場使用料として)