新長田まちなか勉強会

神戸市の新長田で、映画、音楽、本、地図、芸能、あらゆる “もの” を通して、古今東西の社会情勢や歴史、背景などを楽しく勉強しましょう。表面的な出来事の背後にある大切なものを見る目を養い、みんなで話し合うことによりたくさんの異なる視点を得ることができます。実際は、わいわい楽しみながら感想を語り合いつつ社会問題に迫っていく感じ。

第89回 自由のあらゆる意味 「この自由な世界で」

会次回の新長田まちなか勉強会のお知らせです。

前回の『ブレッド&ローズ』は、不法労働で足元を見られ、劣悪な労働条件を飲まざるを得ない移民労働者のお話でした。
主人公のお姉さんローサの告白には胸が詰まり、涙が止まりませんでした。

さて、ケン・ローチ監督作品シリーズの4回目は、移民労働者を雇う側の女性が主人公です。

 この自由な世界で
 【It's a Free World...】
 監督: ケン・ローチ
 2007年 イギリス映画 96分

<ストーリー>
人材派遣業で働くシングルマザーのアンジーは、突然クビを告げられる。仕方なく今までの経験を基に移民労働者を集めて職業紹介所を立ち上げる。
事業を軌道に乗せるために必死で働くアンジーは、ある日不法移民を働かせる方が儲けになると教えられる。もっと金さえあれば、親に預けた一人息子と一緒に幸せに暮らせると考えたアンジーは・・・

 企業が儲ける方法といえば、人件費を安くすることですね。そして主人公のアンジーも当然儲かる方法を考えます。それは両親に預けている一人息子と一緒に暮らすためには仕方なかった? 
 資本主義社会での人間の心の闇をケン・ローチ監督と脚本家のポール・ラヴァーティが見事に描きました。この作品でポール・ラヴァーティは第64回ヴェネツィア国際映画祭で金オッゼラ賞(脚本)を受賞しています。 
 前回の『ブレッド&ローズ』と前々回の『マイ・ネーム・イズ・ジョー』も二人のタッグによる作品です。

 この「自由な」世界での「自由」について話し合いたいですね。
 原題についている「・・・」を省略して欲しくなかったな。

 引き続き換気と消毒に努めます。安心してお越しください。

  日時 : 2022年7月17日(日) 15:00 事前の申し込みは必要ありません
  場所 : 新長田小劇場 :劇団どろアトリエ改メ
     (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
      新長田駅から大正筋を南へ10分
  参加費 : 500円(会場使用料として)