第1回目はシェークスピアを取り上げました。数ある『リア王』の映画化の中でも最高峰だと思います。
リア王
監督: グリゴーリー・コージンツェフ
1970年 ソ連映画 130分
新型コロナウィルス禍で、会合が難しい状態になってしまいました。
4月5日の勉強会は悩みつつ開催しましたが、入り口でのアルコール消毒、マスク着用、座席間隔を開け、ドアを開っぱなし換気をするなど、出来る限りの感染予防を行いました。
お越しくださったみなさま、どうもありがとうございました。
おかげで有意義な感想会を持つことができました。
アップが多く揺れる画面からケイト・ショートランド監督の意図を問う人、刷り込まれた差別意識を問題提起する人、同行したユダヤ人青年の目的は?、青年はユダヤ人ではなくロマかも、いや本人がいう通り囚人だった、鹿の置物を壊すことで過去との決別、戦争が終わって故郷にまっすぐ帰りたがらないのはなぜ?、まだまだありますが、かなりいろいろ話し合うことができました。ユダヤ人側から描いた差別の映画は「過去の話」になるが、ドイツ人側から描いた差別の映画は「これからの話」になるという言葉が印象的でした。
緊急事態宣言が出てしまった今、来月の開催ができるかどうかわかりませんが、とりあえず次回の作品のお知らせをいたします。
ドイツ映画シリーズが終わり、新しく「世界の名作文学シリーズ」が始まります。
誰もが知っている文芸作品の中から、良質に映像化されたものをピックアップし、まな板に乗せて論議したいと思います。
作品を読んだ人は、「イメージが違いすぎる!」などと文句が出るかもしれません。私自身も映画より小説派です。小説を超えるものはほとんどないと日頃から断言してる者です。
そんな文句も含めて上映後に感想を言い合いましょう。
第1回目に取り上げたグリゴーリー・コージンツェフ監督の『リア王』は原作に忠実なあらすじで、舞台で4時間かかる作品を見事に2時間に縮めています。
ロシアは本国イギリスの次にシェークスピアが読まれている国で、中でも監督のグリゴーリー・コージンツェフはシェークスピアの論文をいくつか発表するほどのシェークスピア研究家です。
原作をロシア語に翻訳したのは、ノーベル賞作家のボリス・パステルナーク。
音楽はディミトリ・ショスタコヴィッチ。演奏はレニングラード国立フィルハーモニー・オーケストラ。
役者は舞台で活動していたヤルヴェトを筆頭に一流の役者を揃え、素晴らしい実写の映像が観る者を圧倒します。ご期待ください。
あらすじはご存知の通り。
リア王は退位を決意して、三人の娘たちに自分をどれだけ愛しているか尋ねますが、長女と次女はお世辞を言うのに三女のコーデリアは素直に言葉にしません。怒ったリア王はコーデリアを勘当し、彼女をかばったケント伯も追放してしまいます。
コーデリアは求婚していたフランス王と結婚し、リア王は城を引き継いだ長女夫婦と暮らしますが、長女はリア王を邪険に扱います。そこでリア王は次女のところに行きますが、やはり冷たく扱われ、嵐の荒野へ飛び出した挙げ句、気が狂ってしまいます。
一方リア王の重臣グロスター伯爵の家では・・・
緊急事態宣言前に作ったチラシでは、5月17日日曜日を予定しています。
状況が変わればその都度、お知らせいたします。
日時 : 2020年 5月17日(日) 15:00〜 事前の申し込みは必要ありません
場所 : 新長田小劇場劇団どろアトリエ改メ
(新長田アスタくにづか5番館2階奥)
地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
新長田駅から大正筋を南へ10分
参加費 : 500円(会場使用料として)