新長田まちなか勉強会

神戸市の新長田で、映画、音楽、本、地図、芸能、あらゆる “もの” を通して、古今東西の社会情勢や歴史、背景などを楽しく勉強しましょう。表面的な出来事の背後にある大切なものを見る目を養い、みんなで話し合うことによりたくさんの異なる視点を得ることができます。実際は、わいわい楽しみながら感想を語り合いつつ社会問題に迫っていく感じ。

第90回 ケン・ローチが軍事介入の告発を描くと『カルラの歌』

次回の映画会のお知らせです。
ケン・ローチ監督シリーズ第5回目は舞台がニカラグアに移ります。

ケン・ローチ監督の作品で、労働問題をテーマにしたものを続けて2作品見てきました。『ブレッド&ローズ』では労働条件の悪いなか組合を作り立ち上がる中南米の不法移民を描き、『この自由な世界で』では反対に不法移民を劣悪な労働条件と住環境にあてがう派遣会社を描いていました。次回は打って変わって、戦争の告発を主眼としています。

 カルラの歌
 【Carla's Song】
 監督 : ケン・ローチ
 1996年 イギリス映画 127分

<あらすじ>
1987年グラスゴー、バス運転手のジョージは無賃乗車を咎められたニカラグア出身のカルラという若い女性を助ける。彼女は不安定な生活をしており、ジョージが手を差し伸べるうちに恋仲になるが、彼女の傷だらけの背中を見てひるんでしまう。
ジョージは自殺を図るカルラをの助けたいと思い、一緒にニカラグアに行ってニカラグアにいる行方不明の恋人を見つけようと誘うが、実際にニカラグアに来て、ニカラグアの状況とさらに奥の深い事実を知ることとなる。

ニカラグアは何十年もアメリカの傀儡政権の独裁国家でしたが、1979年に革命が起こりサンディニスタ革命政権が誕生します。ところが当時アメリカは、アメリカの息のかかった国でその国自身による政権が樹立した場合、すぐさま軍事介入をして再び内戦を起こしてその政権を転覆させました。新長田まちなか勉強会では『ミッシング』でチリのアジェンデ政権に軍事介入したアメリカの映画を見ましたね。

 

shinnagatamachinaka.hatenablog.com

 


何も知らずに恋心だけでニカラグアに行ったジョージも現地でその事実を知り、打ちのめされます。

ケン・ローチ監督作品シリーズの感想会で毎度名前が出てくる「ポール・ラヴァーティ」という脚本家は、元弁護士で、この内戦における米軍の人権問題に対処しました。その後カルラの歌でケン・ローチと組んで脚本家となり、ケン・ローチ作品とのタッグで数々の賞を獲得しています。

脚本、映像、内戦干渉、恋愛、いろんな感想が出そうですね。いろいろ話し合いましょう。


コロナ感染防止のため、椅子・机の消毒、ドアの開放、入り口での手指の消毒を徹底しています。安心してご来場ください。

  日時 : 2022年8月28日(日) 15:00 事前の申し込みは必要ありません
  場所 : 新長田小劇場 :劇団どろアトリエ改メ
     (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
      新長田駅から大正筋を南へ10分
  参加費 : 500円(会場使用料として)