新長田まちなか勉強会

神戸市の新長田で、映画、音楽、本、地図、芸能、あらゆる “もの” を通して、古今東西の社会情勢や歴史、背景などを楽しく勉強しましょう。表面的な出来事の背後にある大切なものを見る目を養い、みんなで話し合うことによりたくさんの異なる視点を得ることができます。実際は、わいわい楽しみながら感想を語り合いつつ社会問題に迫っていく感じ。

北極圏へ向かう偶然の恋人たち『アナとオットー』

ほんの少しだけ暑さがマシになったような気がするとはいえ、毎日暑い日が続いています。いかがお過ごしですか。
次の北欧映画シリーズ最終回のお知らせです。

アナとオットー
【Los Amantes del Círculo Polar】
フリオ・メデム監督
1998年 スペインの映画 112分

北欧シリーズなのにスペイン映画です。
原題が「北極圏の恋人」なので、今回取り上げることになりました。
これは「Ana」と『Otto」という上から読んでも下から読んでも(横書きなので左から読んでも右から読んでも、ですね)同じ名前を持つ男女のラブストーリーです。

 <ストーリー>
 アナは父親を亡くし、オットーは両親が離婚します。アナとオットーは8歳の時に偶然森の中で出会いますが、学校でオットーが紙飛行機を飛ばしたことから、アナの母親とオットーの父親が仲良くなり、再婚することになりました。アナとオットーは義兄妹になりました。
 一緒に暮らすようになった二人は自然と愛し合うようになります。けれどもある日、オットーの実の母親が亡くなり、しばらくしてから発見されたことに罪悪感を覚えたオットーは、アナの前から姿を消します。

この映画は、オットーから見た視点とアナから見た視点を交互に描くことで、二人の気持ちをあぶり出していきます。
偶然に再会できることを信じて、何度もニアミスを繰り返す二人。
そう書くと陳腐なラブストーリーのようですが、静謐さや全体に漂う寂寥感が美しい風景と相まって、心に染み入るラブストーリーになっています。映画の中を主人公たちと一緒に北極圏をさまよっているような錯覚に陥ります。

解説の嶋田氏は大好きな映画だそうです。
フリオ・メデム監督は精神医学の博士でもあるのですが、「偶然というものが必ずしも予期せぬ出来事ではない」というメッセージを含めているそうです。

ぜひ、胸が苦しくなるような過去の恋愛を思い出して、お楽しみください。「過去の」と書きましたが、現在進行形で恋愛中の方ももちろんお越しください。

  日時 : 2019年 9月29日(日) 15:00〜 事前申し込の必要はありません
  場所 : 劇団どろアトリエ
     (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
      新長田駅から大正筋を南へ10分
  参加費 : 500円(会場使用料として)

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