寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
前回の映画会は本当に寒い一日でしたが、来月は少しは暖かくなっているといいですね。
2月の映画のお知らせをいたします。南米シリーズ第5弾はアルゼンチン。
スール/その先は…愛
【Sur】
監督 : フェルナンド・E・ソラナス
1988 アルゼンチン 118分
音楽はタンゴの巨匠アストル・ピアソラ。それをバンドネオンで奏でるのは、こちらも有名なネストル・マルコーニ。
そしてタンゴ歌手のロベルト・ゴジェネチェなどが歌います。音楽だけでも必見の価値がある映画です。
監督、脚本のフェルナンド・E・ソラナスは、1976年アルゼンチンにクーデターが起こり、軍事政権に支配されると、翌年には家族とともにパリへ亡命しています。映画製作の拠点をフランスに移して作品を撮った後、アルゼンチンの民主化が整った1985年に8年ぶりに祖国に戻りました。
帰国して最初に撮ったのがこの作品です。
あらすじ
アルゼンチンの軍事独裁政権が終わり、主人公の男フロレアルが刑務所から出てきます。
彼は妻の待つ家に向かいながら、いろいろなことを回想します。
逮捕のきっかけとなった5年前、フロレアルは組合活動に関与したことから秘密警察に追われ、廃墟に身を隠しました。そこで出会ったマリアと行きずりの関係を持ちますが、その後逮捕されてしまいます。
一方妻のロシは逮捕された夫を一生懸命に探し出し、夫に会いに刑務所に向かいます。しかしロシも夫がいない間、夫の友人の愛を受け入れてしまったのです。
さて、家に着いたフロレアルはなかなか家に入れません。そこで夜の闇を歩き回るのですが、なぜか死んだはずの友人たちが現れ、彼がいない間のアルゼンチンの独裁政権の様子を語ります。
アルゼンチンは1974年ペロン大統領が死去すると、3番目の夫人イサベル・ペロン(エビータではありませんよ)が世界初の女性大統領として就任しました。しかし夫の時代から続く国内の混乱は改善されずすぐに解任され、代わってビデラ将軍による軍事政権が樹立しました。
彼ら一派は反政府活動家の拷問や殺害を命じ、なんと行方不明者が3万人も出たという時代でした。
その独裁政権が崩壊し、活動家だった男が弾圧で死んだ仲間たちの思いを受け、今後のアルゼンチンと崩壊した家庭をどう再生していくかという意味がこめられているように感じます。
みなさんはこの映画を見てどう思われるでしょう。
鑑賞後の雑談も楽しいですよ。どうぞお越しください。
日時 : 2018年 2月25日(日)15:00〜 事前申し込の必要はありません
場所 : 劇団どろアトリエ
(新長田アスタくにづか5番館2階奥)
地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
新長田駅から大正筋を南へ12分
参加費 : 500円(会場使用料として)