5月の映画会のお知らせです。
中国人監督の第二弾はチャン・イーモウ(張芸謀)です。
日本では2008年の北京オリンピックの開会式を演出したことで、映画に関心がない人にも名前が知られるようになりました。
今回取り上げた作品は
『あの子を探して』
1999年公開 106分
中国の田舎の小学校に13歳の女の子が代理教員としてやってきました。
校舎はすさまじくぼろぼろで、生徒も家の仕事が忙しくなると手伝いのために学校をやめてしまうようなところです。
この学校の先生は遠くに住むお母さんの調子が悪いので様子を見に帰りたいのですが、自分が学校を離れると学校に来ない子が増えてしまうので里帰りを渋っています。ところがよりによって、村長が連れてきたのは中学校も出ていない13歳の女の子、ミンジ。しかも村長が間に合わせのためだけに連れてきたので、ミンジは給料のことしか関心がない。そういうわけで教室はしっちゃかめっちゃかになってしまいます。
中でも一番の問題児ホエクーが、学校に来なくなりました。家の都合で町に出稼ぎに行ったのですが、生徒を一人も減らさなかったらさらに10元追加するというと約束なので、ミンジはホエクーを連れ戻すため町へのバス代を稼ぐ方法を考えます。原題の『一个都不能少』=一人も減らすことはならず、というのはここからきているのですね。
バス代を稼ぐために勝手に煉瓦運びをしたり、計算を間違えたりしながらだんだん生徒と団結していくのですが、町に行ってもホエクーはなかなか見つかりません。
最初はなんとも可愛げのないミンジが必死でホエクーを探すころにはもう私たちはすっかりミンジの虜となって、かわいくてかわいくてしかたがなくなっていることに気づきます。
この映画のキャッチフレーズ「遠い遠い空の下、元気でいてね、迎えにいくから。」はミンジがホエクーをさがすときの言葉ですが、日本から遠い遠い空の下に暮らすミンジとその生徒たちに会いに行きたいと思ってしまいます。
最後の黒板にみんなで字を書くシーンは、その漢字が読める民族でほんとうに幸せだなと感じました。
都会と田舎の格差や教育の不平等などの社会問題から、健気な子どもたちの奮闘ぶりなど、見ごたえある映画です。
ぜひお越しください。
日時 : 2017年 5月14日(日)15:00〜 申し込み不要
場所 : どろアトリエ
(新長田アスタくにづか5番館2階奥)
地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
新長田駅から大正筋を南へ12分
参加費 : 500円(会場使用料として)