新長田まちなか勉強会

神戸市の新長田で、映画、音楽、本、地図、芸能、あらゆる “もの” を通して、古今東西の社会情勢や歴史、背景などを楽しく勉強しましょう。表面的な出来事の背後にある大切なものを見る目を養い、みんなで話し合うことによりたくさんの異なる視点を得ることができます。実際は、わいわい楽しみながら感想を語り合いつつ社会問題に迫っていく感じ。

第28回 『フォー エヴァー モーツアルト』 ヌーヴェルヴァーグの旗手ゴダールをあえて90年代作品で

 フランス映画シリーズの最後の作品にジャン=リュック・ゴダールを配しましたが、『勝手にしやがれ』でもなく『気狂いピエロ』でもなく、あえて『フォーエヴァー・モーツアルト』です。
 ジャン=リュック・ゴダールといえば、初期のころから政治的テーマや政治的主張を作品に織り込んでおり、この作品でもサラエヴォ紛争を取り上げています。
 また、題名はフォーエヴァー・モーツアルトなのになぜかベートーヴェンピアノ協奏曲第5番で始まり、モーツアルトの最後のピアノ協奏曲第27番で締めくくられます。モーツアルトベートーヴェンも同じ古典派の時代の偉大な作曲家ですが、作曲へのアプローチが違います。モーツアルトは古典派の形式の中で作曲し、ベートーヴェンは自由度が高く、ショパンなどに代表されるロマン派へと続く流れを感じます。こうした情報も手がかりの一つとして、映画鑑賞後に意見の交換をしましょう。


 あらすじ  

 映画監督ヴィッキー・ヴィタリスはオーディション中に、男爵と呼ばれるプロデューサーのフェリックスから「宿命のボレロ」という映画の監督を頼まれます。
 ヴィッキーの娘のカミーユと従兄弟は紛争中のサラエヴォで芝居を上演しようし、ヴィッキーも同行することになります。メイドのジャミラも連れて行かれましたが、途中でヴィッキーは脱落します。サラエヴォで3人は捕虜となってしまい・・・。
 一方3人と別れたヴィッキーはパリに戻り、男爵の依頼を引き受けて「宿命のボレロ」を撮影しますが、女優に「ウイ」の一言で何度も駄目出しをします。
 音楽会ではモーツアルトが現れ、最後のピアノ協奏曲第27番で映画は締めくくられます。

 Forever ではなく For ever なのは
 “pour rever Mozart” の英語読みだから。 “for dream Mozart” 

 

 日時 : 2017年 3月5日(日)15:00〜 申し込み不要 
 場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
                        新長田駅から大正筋を南へ12分
 参加費 : 500円(会場使用料として)

 

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