新しいシリーズが始まりました。
<イタリアシリーズ>と題して、半年間でイタリア映画を6本取り上げたいと思います。
とは言うものの、イタリア映画は名作が多く、たった6本を選ぶのは困難を極めました。
そこでイタリア映画らしい作品でイタリアの社会や歴史がわかるものを中心に選びましたので、いろいろな感想が出てくるんじゃないかなと思います。どうぞ6ヶ月間お付き合いください。
イタリアシリーズ第1回目は
『夏の嵐』
【Senso】
監督:ルキノ・ヴィスコンティ
1954年 イタリア映画 121分
ルキノ・ヴィスコンティはイタリア北部の大貴族の生まれで、ネオレアリズモから出発しました。その後貴族の心象を投影したような重厚で耽美な世界を描くようになり、『ベニスに死す』などが有名だと思います。
さて、『夏の嵐』はカミロ・ボイトの短篇小説『Senso(官能)』が原作で、ヴェネツィアの公爵夫人とオーストリア軍の将校との破滅的な恋をルキノ・ヴィスコンティがオペラ的に描いています。
あらすじ
1866年、ヴェネツィアはオーストリアに占領されていました。
オペラを観劇中だったリヴィアは、従兄弟で独立運動家の侯爵ロベルトとオーストリア軍の将校フランツが決闘騒ぎを起こすのに遭遇します。
リヴィアはロベルトを救うため双方をとりなし、フランツに決闘の申し出を断るように頼みに行きます。
決闘は免れたものの、フランツの密告によりロベルトは逮捕され流刑となります。
その後リヴィアはフランツと再会しますが、美貌のフランツにほだされ、二人は逢瀬を重ねるようになります。
やがて再びイタリアとオーストリアの戦争が勃発し、リヴィアは流刑先から逃げてきたロベルトに再会します。その時ロベルトはリヴィアに軍資金の保管を頼みますが、リヴィアはその金をフランツの除隊のために使ってしまいます。
やがてイタリア軍は敗れ、リヴィアはヴェロナにいるフランツの元に走りますが、そこでリヴィアはフランツの本意を知り、思わずある行動に出ます・・・。
ヴィスコンティらしい豪華なセットとブルックナーの第七交響曲ホ長調が見事に調和して、ヴィスコンティの傑作のひとつだと思います。
イタリアといえばオペラ。オペラといえばメロドラマ。と言うわけでイタリアのメロドラマをお楽しみください。
日時 : 2018年 4月15日(日)15:00〜 事前申し込の必要はありません
場所 : 劇団どろアトリエ
(新長田アスタくにづか5番館2階奥)
地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
新長田駅から大正筋を南へ12分
参加費 : 500円(会場使用料として)