10月から新しく「辺境のヨーロッパシリーズ」が始まります。
まずはじめはハンガリー映画から。
美しい街ブダペストを舞台に繰り広げられる男女の愛と復讐の物語です。
『暗い日曜日』
【Ein Lied von Liebe und Tod】
監督 : ロルフ・シューベル
1999年 ドイツ・ハンガリー映画
あらすじ
現代のブダペスト。
金持ちのドイツ人がブダペストのレストランにやって来て、店の名物のビーフロールを頼みます。
彼は「暗い日曜日」の演奏をリクエストし、料理を食べたところで、急に死んでしまいます。
妻は死んだ夫よりも切れた真珠のネックレスを拾うことに躍起になっている様子。
時は変わって、第二次世界大戦前のブダペスト。
レストランオーナーのラズロと恋人でウェイトレスのイロナは、店にピアノを購入しピアニストを雇おうとしています。
オーディションにやって来たアンドラーシュの演奏は素晴らしく、遅れて来たものの採用されることになりました。
アンドラーシュはイロナに一目惚れし、イロナもアンドラーシュに惹かれます。
さて、イロナの誕生日にラズロは素敵な髪留めを贈り、アンドラーシュは自作の「暗い日曜日」を演奏します。そこにイロナ目当てに通っているドイツ人常連客ハンスが自分も誕生日だからと、自慢のライカでイロナの写真を撮らせてもらいます。そしてイロナを口説きますが、結局振られてしまします。
その晩、イロナはアンドラーシュと一夜を共にし、一方、振られて入水自殺をしたハンスとそれを助けたラズロは意気投合します。その日からイロナとラズロとアンドラーシュの奇妙な三角関係が始まります。
やがてラズロの口添えで「暗い日曜日」がレコード化され、大ヒットしますが、いつしか聞くと自殺する曲と評判になってしまいます。落ち込むアンドラーシュをイロナとラズロが励まします。
やがて戦争が始まり、あのヘタレのハンスがナチスの幹部となってブタペストに戻って来ると、三人の運命が大きく変わってしまうのでした。
この映画は、最初に出てくる金持ちのおじいさんがどうしたのかなと思っているうちに、あれよあれよと話に引き込まれて行きます。
そしていろいろなシーンでちらっと出てくる事柄が全部最後に繋がり、最後にあぁ!と言わせる見応えある展開です。
冒頭のドナウ川の橋を渡る車は最後に逆方向に行く車と繋がりますし、誕生日が同じなのもミソ、写真、真珠のネックレスなど冒頭のシーンだけでいくつも伏線が張られていますよ。しっかり見ててくださいね。
あとはネタばらしになるので、言えませんが・・・
それからこの映画はよくあるナチス対ユダヤ人という安直なテーマでもありません。もちろんラズロがユダヤ人だったということでラズロに悲劇が起こりますが。
イロナ役のエリカ・マロジャーンが魅力的で美しく、妖艶かつ二人の男を聖母のように愛する懐の大きさも感じられ、イメージぴったりの役でした。
ぜひお越しください。一緒に映画を見て、いろんな伏線について語りましょう!
日時 : 2018年 10月21日(日)15:00〜 事前申込の必要はありません
場所 : 劇団どろアトリエ
(新長田アスタくにづか5番館2階奥)
地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
新長田駅から大正筋を南へ12分
参加費 : 500円(会場使用料として)