新長田まちなか勉強会

神戸市の新長田で、映画、音楽、本、地図、芸能、あらゆる “もの” を通して、古今東西の社会情勢や歴史、背景などを楽しく勉強しましょう。表面的な出来事の背後にある大切なものを見る目を養い、みんなで話し合うことによりたくさんの異なる視点を得ることができます。実際は、わいわい楽しみながら感想を語り合いつつ社会問題に迫っていく感じ。

S・マンガーノのはっとする美しさとイタリアの早乙女たち『にがい米』

7月の映画会は台風による前日の大雨で開催が危ぶまれましたが、
奇跡的に当日は雨が上がりました。
交通機関の乱れも心配していた程ではなく、
おまけに上映中にバケツをひっくり返したような雨が降り、
帰るころにはまた何事もなかったように晴れていたという一日でした。
私は「晴れ女」とよく呼ばれますが、来場者の中にもう一人か二人ぐらい「晴れ女」「晴れ男」がいるんじゃないかと思います。

8月の映画会のお知らせです。
お盆休みのさ中ですが、ご都合がよろしければどうぞお越しください。また、普段は仕事で行けないけど、その日は休みという方はこの機会に是非覗きにいらしてください。

 にがい米
 【Riso amaro
 監督:ジュゼッペ・デ・サンティス
 1949年 イタリア映画 107分

北イタリアの農村地帯に出稼ぎにやって来る女たちの悲喜こもごもに、宝石強盗のカップルが引き起こす騒動が絡むストーリーですが、きち
んと戦後すぐのイタリアの様子が描かれた社会派ドラマであり、新星のごとく現れたシルヴァーナ・マンガーノの肢体も美
しく、見どころ一杯の映画です。

あらすじ
北イタリア、ポー川流域の水田地帯に田植えの手伝いとして、毎年出稼ぎ女たちがやって来ます。
水田地帯に向かう鉄道の駅では宝石強盗のワルテルと情婦のフランチェスカが警官に追われおり、ワルテルは出稼ぎ女のシルヴァーナと一緒にダンスを踊って身を隠します。しかし警官に見つかり、ワルテルは逃げ、フランチェスカは列
車に乗って出稼ぎ女たちと水田地帯へ向かいます。
ところが水田ではフランチェスのような登録のない労働者は雇ってもらえなくなり、そのせいで出稼ぎ女たちと諍いになっ
てしまいます。
そして出稼ぎ女の泊まる宿はもとは兵隊の営倉で、シルヴァーナは軍曹と親しくなります。
イタリアの農村を舞台に二組の男女カップルの愛憎劇と強盗の悪巧みが絡み、最後は思いがけない結末を迎えます。

敗戦国のイタリアは日本と同様に、人びとの生活は大変厳しいものでした。生活に困っている女たちは生きていくために、出稼ぎにやってきて、泥と汗にまみれ、腰をかがめて辛い労働をしなければなりませんでした。泥に膝までつかって一本一本植える田植えの方法は同じでも、日本とイタリアでは早乙女たちが全く違って見えます。イタリア女性のからっとした元気のよさは気持ちがいいですね。

さらにS・マンガーノの官能的な肢体は、公開当時世界中にセンセーションを巻き起こしたそうですが、とても健康的で、女性の目から見てもいやらしくなく、はっとする美しさです。

  日時 : 2018年 8月12日(日)15:00〜 事前申込の必要はありません
  場所 : 劇団どろアトリエ
       (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
       地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
       新長田駅から大正筋を南へ12分
  参加費 : 500円(会場使用料として)

 

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