次回の映画会のご案内をいたします。
南米映画シリーズの最終回は
『アギーレ/神の怒り』
【Aguirre, der Zorn Gottes】
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
1972年 西ドイツ映画 93分
南米シリーズなのに、また南米以外の監督作品になってしまいました。
監督はドイツ人、そして映画内で話されている言葉もドイツ語です。
しかし、アメリカ大陸の歴史を考える時、コンキスタドール(征服者)のことは外せないと考えました。
ピュリッツア賞を受賞した『銃・病原菌・鉄』ジャレド ダイアモンド著を読んだ時も思いましたが、アメリカ大陸の運命は本当にこの「銃・病原菌・鉄」に左右されたのだなと悲しくなります。16世紀にピサロ率いるたった168人の部隊がインカ帝国を滅ぼしてしまったのですから。
1526年スペインのコンキスタドール(征服者)はペルーのインカ帝国の領土に達しました。そして1532年、ピサロたちはついにインカ帝国を滅ぼします。
さらにピサロたちは黄金郷エル・ドラドがあると信じてジャングルの奥地へと隊を進めました。この探検隊の分隊にいた副官がアギーレ、今回の主人公です。
ヘルツォーク監督とよく組んでいるクラウス・キンスキーがアギーレを「怪演」していますが、その形相はなんともすさまじく、演じてるのかどうかもよくわからなくなってきます。
CGがまだない時代ですので、すべてが実写。当時の重い機材をみんなで背負ってジャングルを移動していたそうで、真に迫った演技は実は素なのかもしれません。一行の心身の衰弱が半端じゃありません。
あらすじ
1560年、伝説の黄金郷エル・ドラドへの夢に憑かれ、スペインからやってきた征服者ピサロの分隊。
副官のアギーレは、自分の娘や分隊長の愛人、僧や貴族などと一緒にアマゾンの奥地を目指して筏で川を下っていきます。
アマゾン川の激流に飲まれたり、人喰いインディオに襲撃を受けたりで、兵士たちは一人また一人と減っていきます。
食料も底をつき、一行は極限状態の中アギーレは次第に狂気に駆られ、ついに自らを「神の怒り」と名乗るのでした。
そこまでしてなぜ突き進む?と思うのですが、こんな風にしてアメリカ大陸は西洋人に蹂躙されていったのでしょうね。
征服したほうが勝ちという考えが現在でも続いていることに、憤りとむなしさを感じます。
お時間があれば、鑑賞後感想を話し合いましょう。
日時 : 2018年 3月25日(日)15:00〜 事前申し込の必要はありません
場所 : 劇団どろアトリエ
(新長田アスタくにづか5番館2階奥)
地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
新長田駅から大正筋を南へ12分
参加費 : 500円(会場使用料として)