さて2017年後半は南米シリーズと題しまして、南アメリカの映画を6回分取り上げたいと思います。
たくさんの国があり、素晴らしい作品も多いので、6作品を選ぶのに苦労しましたが、トップバッターは「蜘蛛女のキス」で南米映画の素晴らしさを再確認いたしましょう。
蜘蛛女のキス
[El Beso De La Mujer Araña / Kiss of the Spider Woman]
監督 : エクトール・バベンコ
1985年 ブラジル/アメリカ映画 121分
1976年にアルゼンチンで出版されてベストセラーとなったマヌエル・プイグ作の小説をレナード・シュレーダーが脚色し、監督エクトール・バベンコが映画化しました。
あらすじ
ファシズムの風が吹くブエノスアイレスの刑務所に一緒に収監されているのは、未成年者に対する性的行為のかどで逮捕されたゲイのモリーナと、政治犯のヴァレンティン。
お互いに相手の生き方が理解できず反目し合っているのだが、モリーナはある日ヴァレンティンに映画のストーリーを語り始める。
やがて二人は心を通わせ、お互いの生き方を尊敬しあうようになる。しかしモリーナは刑務所長から、ヴァレンティンの革命組織の情報を聞き出したら出獄させてやると言われているのだった。
小説が大変すばらしくて、映画化されたと知った時見たいと強く思いました。小説がほとんど二人の会話とモリーナの語る映画の話で構成されており、読みながらこれを映像化したら素敵だろうなと思っていたからです。
そして実際に映画を見てみると、モリーナの語る映画がヴァレンティンの頭に描かれる映像になっているのに気づきました。つまり、映画のヒロインの顔がヴァレンティンの恋人なのです。あぁ、そういうことかと気づいてこの監督の手腕に感動しました。
主演のウィリアム・ハートは第58回アカデミー賞の主演男優賞をはじめ、カンヌ映画祭など各国の賞を総なめ。今は亡くなったラウル・ジュリアも役柄にぴったりです。
ラストシーンは本当に胸が張り裂けそうになります。
レンタルビデオ店でもあまり見かけないので、どうぞこの機会にみなさんお越しください。
ぜひ一緒に見て感想を語り合いたいですね。
日時 : 2017年 10月29日(日)15:00〜 事前申し込の必要はありません
場所 : 劇団どろアトリエ
(新長田アスタくにづか5番館2階奥)
地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
新長田駅から大正筋を南へ12分
参加費 : 500円(会場使用料として)