新長田まちなか勉強会

神戸市の新長田で、映画、音楽、本、地図、芸能、あらゆる “もの” を通して、古今東西の社会情勢や歴史、背景などを楽しく勉強しましょう。表面的な出来事の背後にある大切なものを見る目を養い、みんなで話し合うことによりたくさんの異なる視点を得ることができます。実際は、わいわい楽しみながら感想を語り合いつつ社会問題に迫っていく感じ。

第13回 ネオ・リアリズモで描いた戦争の現実と悲しさ

2016年も引き続きいっしょに映画を楽しみましょう。

次回映画会のおしらせです。

 第二次大戦後、レジスタンスによってファシズムを倒し、共和国として生まれ変わったイタリアに現れた、ネオレアリズモ(neo-realismo)と呼ばれる写実主義的な手法を用いた映画を楽しみましょう。

『無防備都市』
 Roma,Citta,Aperta
1945年 イタリア映画  100分
監督:ロベルト・ロッセリーニ

 初めてこの作品をビデオで見たとき、画面が急に暗くなったり明るくなったりするので、あれ?知らないうちにリモコン踏んだかのなと思ってリモコン見ると、そうじゃない。じゃあテレビが壊れたのかもって思いながら見てたのですが、それも違ったのですね。

 これはスタジオも資材も戦火で焼かれて、何もない条件下で撮られた映画だったからです。
 余りもののフィルムをかき集め、つないでつないで作られました。
 照明もなく撮影はすべてロケ。加えて素人俳優の起用。こうしたドキュメンタリータッチの映像がかえって記録映画以上に生々しく、ロッセリーニ監督がどうしても描きたかった真実を伝えることに成功したように思えます。

あらすじ
 第二次世界大戦末期ドイツ軍に占領されたローマでは、レジスタンスの指導者が友人の家にやってきて、教会の神父に匿ってもらうことに。友人は恋人と結婚する日ドイツ軍に捕らえられてしまい、それを追った花嫁は・・・。
 一方指導者の恋人は寂しさのあまり、ある行動に移ります。その結果いろいろな人を苦しめることになりました。

 イタリアはネオレアリズモの手法を用いて、社会問題を客観的に描き問題提起をしました。有名な「自転車泥棒」もその一つです。

 たくさんのお越しをお待ちしています。

 日時 : 2016年1月11日() 3:00~ 申込み不要

 場所 : どろアトリエ (新長田アスタくにづか5番館2階 三国志ガーデン奥)
            地下鉄海岸線駒ヶ林駅上2分
            新長田駅から大正筋を六間道商店街へ突き当たるまで10分

 参加費 : 500円 (会場使用料として) 

 話題提起 : 嶋田邦雄氏 (ブレヒトくらぶ)

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