10月25日(日)映画会開催のお知らせです。
「映画を見て知る〇〇」シリーズが終了し、次回から「映画の暗黒と栄光を見つめて」と題して、映画という新しい大衆メディアが現代社会にどのように関わってきたかを掘り下げてみたいと思います。資本主義的生産の巨大化、排外主義とファシズム、戦争、プロパガンダ・・・。また今まで不可能だったことが可能となったことで、映画の光の面・影の面も話し合えたらと思います。
まずは
『カリガリ博士』
原題: 『Das Kabinett des Doktor Caligari』
監督:ローベルト・ヴィーネ
1920年ドイツ映画 80分
フランシスと親友アランは移動遊園地のようなお祭りに出かけて、ひとつの見世物小屋に入ってみます。そこではカリガリ博士が“眠り男”チェザーレを使って観客の未来を予言するという出し物をやっていました。アランはそこで自分の寿命が明日までだと予言されてしまい、本当に次の日死体となって発見されます。
警察やフランシスはカリガリ博士が怪しいと捜査を始めるのですが、・・・
サイレント期のドイツ映画を代表する作品。この当時ヨーロッパでは第一次世界大戦の惨劇から、今までの価値観を否定する新しい思想がたくさん生まれました。芸術の世界においてはドイツで今までの印象派(Impressionism) に対して表現主義(Expressionism) という運動が始まったのです。-英語にすると反対語だってことがよく分かりますねー
その表現主義の画家たちによって、映画のセットが作られました。手書きのセットはすべて紙で作られています。垂直の線がまったくなく、歪んだ非現実的な舞台が第一次世界大戦後の社会の不安や人間の心の闇をうまく表現しています。白黒サイレント映画にもかかわらず、今なお斬新でおもしろいですね。映画を見ながらたっぷりとその世界を楽しんでください。
前日に「駒ヶ林のけんか祭り-左義長祭」講演会もありますので、連日になりますが、併せておこしください。
shinnagatamachinaka.hatenablog.com
日時 : 2015年10月25日(日) 3:00~ 申込み不要
場所 : どろアトリエ (新長田アスタくにづか5番館2階 三国志ガーデン奥)
地下鉄海岸線駒ヶ林駅上2分
新長田駅から大正筋を六間道商店街へ突き当たるまで10分
参加費 : 500円 (会場使用料として)
話題提起 : 嶋田邦雄氏(ブレヒトくらぶ)