新長田まちなか勉強会

神戸市の新長田で、映画、音楽、本、地図、芸能、あらゆる “もの” を通して、古今東西の社会情勢や歴史、背景などを楽しく勉強しましょう。表面的な出来事の背後にある大切なものを見る目を養い、みんなで話し合うことによりたくさんの異なる視点を得ることができます。実際は、わいわい楽しみながら感想を語り合いつつ社会問題に迫っていく感じ。

「父 パードレ・パドローネ」親の支配に打ち勝つ日

次回の映画会のお知らせです。 父 パードレ・パドローネ 【Padre Padrone】 監督:パオロ・タヴィアーニ & ヴィットリオ・タヴィアーニ 1977年 イタリア映画 114分 パオロ・タヴィアーニとヴィットリオ・タヴィアーニは兄弟で、お兄さんのヴィットリオはほ…

フェリーニの「カビリアの夜」で「最貧困女子」問題を考える

次回の映画会のご案内が大変遅くなりました。6月10日、もう明日に迫っております。 カビリアの夜 監督:フェデリコ・フェリーニ 【Le Notti di Cabiria】1957年 113分 なかなか書けなかったのは、忙しいのが理由ではなく、主人公カビリアの生き方に胸が潰れ…

第43回 子どもが子どもらしい時を過ごすひと夏。そして残酷な結末『ふたりのトスカーナ』

前回のヴィスコンティの時代絵巻メロドラマとは打って変わって、次回はかわいい子どもたちに癒されるとてもいい映画をご紹介します。 ふたりのトスカーナ 【IL CIELO CADE】 監督:アンドレア・フラッツィ, アントニオ・フラッツィ 2000年 イタリア映画 102…

第42回 ヴィスコンティの『夏の嵐』:メロドラマを耽美な映像で見る

新しいシリーズが始まりました。 <イタリアシリーズ>と題して、半年間でイタリア映画を6本取り上げたいと思います。とは言うものの、イタリア映画は名作が多く、たった6本を選ぶのは困難を極めました。そこでイタリア映画らしい作品でイタリアの社会や歴史…

第41回 『アギーレ/神の怒り』征服欲の凄まじさ

次回の映画会のご案内をいたします。南米映画シリーズの最終回は 『アギーレ/神の怒り』【Aguirre, der Zorn Gottes】 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク 1972年 西ドイツ映画 93分 南米シリーズなのに、また南米以外の監督作品になってしまいました。監督はド…

第40回 『スール/その先は…愛』はアルゼンチンの再生と家族の再生

寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。前回の映画会は本当に寒い一日でしたが、来月は少しは暖かくなっているといいですね。2月の映画のお知らせをいたします。南米シリーズ第5弾はアルゼンチン。 スール/その先は…愛 【Sur】 監督 : フェルナ…

第40回 コロンビアの事実を集めた映画『そして、一粒のひかり』

あけましておめでとうございます。2017年はたくさんの方にお集まりいただいて、どうもありがとうございました。2018年も引き続きいい映画を一緒に鑑賞しましょう。幕開けは南米シリーズ第4回目となる『そして、一粒のひかり』です。今回はコロンビアが舞台…

第38回 クリスマス・イブに「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」を上映します

12月のビデオ上映会のお知らせです。12月は24日、クリスマス・イブに開催します。夜にパーティがある方も、デートがある方も、3時からの上映ですので大丈夫ですよ。もちろんパートナーや家族・仲間もお誘いいただと、より大歓迎です。 メルキアデス・エスト…

第37回 「ケマダの戦い」で南米の歴史、砂糖の歴史、植民地の歴史を考えよう

南米シリーズの第2弾はカリブ海に浮かぶ島が舞台です。と言ってもそれは架空の島。制作時はスペイン領だったのですが、スペインからクレームがついたので、ポルトガル領ということになりました。そして、制作はイタリア人監督。南米シリーズと言いつつ、前回…

第36回 小説を見事に映像化「蜘蛛女のキス」

さて2017年後半は南米シリーズと題しまして、南アメリカの映画を6回分取り上げたいと思います。たくさんの国があり、素晴らしい作品も多いので、6作品を選ぶのに苦労しましたが、トップバッターは「蜘蛛女のキス」で南米映画の素晴らしさを再確認いたしまし…

第35回 「風櫃の少年」さまざまな閉塞感に苛まれながら、一歩づつ大人になっていく少年。青春の終わりを見事に切り取った台湾ニューシネマ。

9月30日は中国シリーズの最終回を飾るのに、台湾映画を取り上げました。思い込みで「風櫃の少年」の上映会をお知らせをしたものとばかり思っていましたが、10月の新シリーズを書く段になってやっと気がつきました。事後報告になりましたので、今回は上映会当…

第34回 「現場報告 ガザ2016・ケニア2017 : わたしの協力、わたしの挑戦」開催のお知らせ

世界では刻々と情勢が変化し、また複雑になっています。政治、経済、紛争などが日本にも影響を及ぼすという理由で世界情勢に関心を持つことも重要ですが、生まれた国が違っただけで、現在たった今を困難に生きている人々がいるということに思いを馳せ、その…

第33回 『ドリアンドリアン』香港の風俗でガッツリ稼いだ女の子はその後どう生きていく

毎日暑いですがお元気でお過ごしでしょうか。次の映画会のお知らせです。 中国シリーズ5回目は香港映画を取り上げます。中国の春秋戦国時代を題材にした「運命の子」により、王朝が変わる際の前政権の血筋を根こそぎ断つ様子を見ました。「あの子を探して」…

第32回 『長江哀歌(エレジー)』大きく変化する中国とそこで地道に生きる人 

7月の映画会はもう次の日曜日に迫ってしまいました。お知らせが遅くなり申し訳ありません。中国シリーズの第4回目は賈 樟柯(ジャ・ジャンクー)監督です。 長江哀歌(エレジー) [三峡好人] 監督 : ジャ・ジャンクー(賈樟柯) 2006年 中国映画原題の「三峡好人」…

第31回 内モンゴル自治区の女性の生き方『トゥヤーの結婚』

6月の映画会のお知らせです。 第5世代の監督、チェン・カイコー(陳凱歌)、チャン・イーモウ(張芸謀)と見てきましたので、次は第六世代のワン・チュアンアン(王全安)を取り上 げます。中国映画の第何世代というのは、中国で映画が作られるようになった第一世…

第30回 『あの子を探して』憎たらしい女の子なのに最後は心を掴まれる

5月の映画会のお知らせです。中国人監督の第二弾はチャン・イーモウ(張芸謀)です。日本では2008年の北京オリンピックの開会式を演出したことで、映画に関心がない人にも名前が知られるようになりました。今回取り上げた作品は『あの子を探して』1999年公開…

第29回 中国映画シリーズが始まります。チェン・カイコー『運命の子』

4月から新しいシリーズが始まります。中国人監督の作品を取り上げて半年間鑑賞しましょう。まず最初は、チェン・カイコー(陳凱歌)監督の『運命の子』です。2010年12月公開 128分 孔子編纂の歴史書『春秋左伝』や司馬遷の『史記』にも登場する話で、中国で長…

第28回 『フォー エヴァー モーツアルト』 ヌーヴェルヴァーグの旗手ゴダールをあえて90年代作品で

フランス映画シリーズの最後の作品にジャン=リュック・ゴダールを配しましたが、『勝手にしやがれ』でもなく『気狂いピエロ』でもなく、あえて『フォーエヴァー・モーツアルト』です。 ジャン=リュック・ゴダールといえば、初期のころから政治的テーマや政…

第27回 『去年マリエンバートで』 Xの記憶、Aの記憶、嘘、事実、真実

次回のビデオ上映会のお知らせです『去年マリエンバートで』 【L'Année dernière à Marienbad】 監督 : アラン・レネ 脚本 : アラン・ロブ=グリエ フランス・イタリア合作映画 1961年 94分 男が豪華装飾の建物に入っていくところから映画は始まります。不気…

第26回 演じても演じても返しきれない恩『ピエロの赤い鼻』

次回のビデオ上映会のお知らせです新年最初の演目は ピエロの赤い鼻【EFFROYABLES JARDINS】 監督 : ジャン・ベッケル フランス映画 2003年 95分 恋のさや当てから、軽い気持ちでやらかした似非レジスタンス活動がとんだ悲劇を招いてしまいました。 映画は、…

第25回 元日銀職員による今さら聞けない経済と金融のおはなし :生活の基本である経済と金融の仕組みがわかれば世の中の課題が見えてくる

12月の新長田まちなか勉強会は経済の講演会とビデオ上映会の2本立てです。料金は通しで500円。安い!講演会にご参加頂いた方は、ビデオ上映を引き続きご覧いただけます。 日時 : 2016年12月4日(日)13:30〜 申し込み不要 場所 : どろアトリエ (新長田アスタ…

第24回 『主婦マリーがしたこと』フェミニズムの切り口から見てみてもいいかも

次のビデオ上映会のお知らせです。主婦マリーがしたこと【Une affaire de femmes】監督 : クロード・シャブロル1988年 フランス映画 108分題名にぎょっとしますね。さて、マリーは何をしたのでしょう。それは堕胎を手伝ったのです。舞台は第2次世界大戦中の…

第23回 『死刑台のエレベータ』 〜映像と音楽のスタイリッシュな融合を楽しむ

さて次回の映画は『死刑台のエレベータ』 Ascenseur pour l'échafaud 監督 ルイ・マル 出演 ジャンヌ・モロー 音楽 マイルス・デイビス 制作 1958年 フランス映画 91分 ルイ・マル監督は1956年に海洋学者のクストー隊長と海底のドキュメンタリー映画を撮って…

第22回 新シリーズ「フランス映画でみる映画のルーツへの旅」 〜『大いなる幻影』

ソヴィエトシリーズが終わり、フランス映画シリーズが始まります。 フランスは1895年にルミエール兄弟によって初めて映画が上映された国です。フランス映画が、商業主義的・戦争鼓舞の手段として作られてきたハリウッド映画とは一線を画している点に注目して…

第21回 シリーズ最終を飾る『エルミタージュ幻想』〜最後の15分だけでも見る価値あり

シリーズ「秀作の巨大な鉱脈 ソビエト映画とその遺産」で半年間ソビエト・ロシア映画を鑑賞してきましたが、とうとうシリーズ最終作となりました。 そして最終作にふさわしい作品をご紹介します。『エルミタージュ幻想』【Russian Ark / Русский ковчег】 監…

第20回 心洗われる映画『誓いの休暇』で、暑苦しい日本の休暇を乗り切ろう

シリーズ「秀作の巨大な鉱脈 ソビエト映画とその遺産」8月の会のお知らせです。毎日毎日暑くて、ついこのブログを更新するのを忘れてしまいました。 『誓いの休暇』『БАЛЛАДА О СОЛДАТЕ』監督グリゴーリ・チュフライ 1959年 ソ連映画 89分 この映画は、残酷…

第19回 ロシアの没落貴族「持参金がない娘」が嫁に行くには・・・

ソビエト映画シリーズの7月映画会のおしらせです。 『持参金のない娘』 ЖЕСТОКИЙ Романс 監督:エリダル・リャザーノフ1984年 ソ連映画 145分 舞台は革命前の1870年頃。ボルガ河畔の波止場でオグダーロワ夫人は、娘が嫁ぐのを見送っています。三女のラリー…

第18回 『僕の村は戦場だった』 〜「映像の詩人」が描いた美しい記憶と、現実

6月の映画会のおしらせです。 『僕の村は戦場だった』 Иваново детство 監督:アンドレイ・タルコフスキー1962年 ソ連映画 91分 第二次大戦中のソビエトでのできごと。美しい村に住む少年イワンはドイツ軍に両親と妹を殺され、今は大人の兵隊に混じって敵地…

第17回 『シベリア物語』 〜明るい未来を謳歌する

5月のシリーズ「秀作の巨大な鉱脈 〜 “ソビエト映画”とその遺産」の鉱脈で掘り出したものは、 『シベリア物語』 Сказание о земле Сибирской 1947年 ソビエト映画 114分 監督 : イヴァン・プィリエフ ソ連の2番目のカラー作品になります。 シベリア開拓のプ…

第16回 『黄金の仔牛』 〜新シリーズはじまります

1年間たくさんの方にお越しいただきありがとうございました。 4月からさらにバージョンアップして、新しいシリーズに入ります。題して「秀作の巨大な鉱脈 〜 “ソビエト映画”とその遺産」です。 なぜ <その遺産> かといいますと、ソビエト崩壊後に作られた…