新長田まちなか勉強会

神戸市の新長田で、映画、音楽、本、地図、芸能、あらゆる “もの” を通して、古今東西の社会情勢や歴史、背景などを楽しく勉強しましょう。表面的な出来事の背後にある大切なものを見る目を養い、みんなで話し合うことによりたくさんの異なる視点を得ることができます。実際は、わいわい楽しみながら感想を語り合いつつ社会問題に迫っていく感じ。

第38回 クリスマス・イブに「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」を上映します

12月のビデオ上映会のお知らせです。
12月は24日、クリスマス・イブに開催します。夜にパーティがある方も、デートがある方も、3時からの上映ですので大丈夫ですよ。もちろんパートナーや家族・仲間もお誘いいただと、より大歓迎です。

 メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬
 原題:The Three Burials of Melquiades Estrada
 監督:トミー・リー・ジョーンズ
 2005年 アメリカ・フランス映画 122分

トミー・リー・ジョーンズは、1994年にテレビ映画の監督をしていますが、劇場映画の監督はこの作品が初めてとなります。脚本はメキシコ出身のギレルモ・アリアガ。『21グラム』や『バベル』などでよく知られています。

あらすじ
 テキサスとメキシコの国境地帯、国境警備員のマイク(バリー・ペッパー)は高校時代の人気者同志の結婚なのですが、妻に対しては体を求めるだけの厭な男。だから妻の方も浮気を望んでいます。
 そんなマイクが誤って牧場で働くメキシコ移民のメルキアデス・エストラーダを射殺してしまいました。しかし目撃者がいなかったことから死体を埋めて事件を隠ぺいするのですが、すぐに野生のジャッカルが掘り起こしてしまいます。これが一度目の埋葬。
 薬莢からすぐに犯人がマイクとわかるのですが、身内の犯行で、さらにメルキアデスは不法移民だったことから、警察は再び遺体を埋葬します。これが二度目の埋葬。
 ところがメルキアデスは生前「俺が死んだら故郷ヒメネスに埋めてほしい」と言っており、仲のよかったカウボーイのピート(トミー・リー・ジョーンズ)が遺体を掘り起こし、マイクと共にメルキアデスの故郷ヒメネスを目指します。といってもマイクを誘って一緒に行く旅ではありません。マイクを脅し無理やり連れだす旅。そしてヒメネスに近づくにつれ、男たちそれぞれが本当は弱く、居場所がなく、寂しかったことがわかり、お互いを思いやる気持ちが芽生えてきます。さてロードムービーになるのでしょうか。
 見終わったあとに、きっと胸に熱い思いがこみ上げてくるでしょう。
というわけでクリスマス・イブにぴったりの南米映画だと思います。みなさんぜひお越しください。

     日時 : 2017年 12月24日(日)15:00〜 事前申し込の必要はありません
  場所 : 劇団どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
      新長田駅から大正筋を南へ12分
  参加費 : 500円(会場使用料として)

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第37回 「ケマダの戦い」で南米の歴史、砂糖の歴史、植民地の歴史を考えよう

南米シリーズの第2弾はカリブ海に浮かぶ島が舞台です。と言ってもそれは架空の島。制作時はスペイン領だったのですが、スペインからクレームがついたので、ポルトガル領ということになりました。
そして、制作はイタリア人監督。
南米シリーズと言いつつ、前回に引き続き南米以外の国の制作です。それだけ南米問題を描くのは当事者には難しいということでしょうか。

 ケマダの戦い
  【Queimada】
  監督: ジッロ・ポンテコルヴォ
  1971年 イタリア映画 115分

あらすじ
19世紀、カリブ海に浮かぶケマダ島にイギリス人ウォーカー卿が降り立ちました。
この島は16世紀にポルトガル人がやってきて、原住民の反乱を抑えるために島の全土を焼き放ち、そこに黒人奴隷を連れてきて植民地とした所です。ウォーカー卿は、ポルトガルによる砂糖の独占を阻止するために、イギリス政府から派遣されたのでした。
彼は奴隷の中から指導者になりそうな青年ホセを見つけ、革命を起こすように説得します。
一方、ウォーカー卿は白人と黒人の混血デディーにポルトガル提督を暗殺させ、革命は見事成功したのでした。
政権を取ったものの黒人奴隷たちは政治については素人でした。仕方なく大統領の座はテディに譲ります。
しかしこれこそがもともとウォーカー卿が目論んでいたことで、イギリスは砂糖の利権をうまくポルトガルから奪うことができたのでした。ポルトガルと戦争ということになったら大変な出費になってしまうからです。
それから10年がたったある日、イギリスに戻っていたウォーカー卿のもとにケマダで黒人奴隷たちが反乱を起こしていると連絡が入ります。再びケマダに戻ったウォーカー卿はホセが率いる反乱軍の鎮圧にあたりますが…

コロンブスの2回目の航海で新大陸にサトウキビがもたらされ、大規模な砂糖のプランテーションが稼働し始めました。作業にアフリカから何万人もの奴隷が連れて来られました。当初は大変に高価だった砂糖も、19世紀になると庶民にも広がり、紅茶に砂糖を入れて飲むことで砂糖が大量に消費されるようになりました。精糖会社の株価が上がると、投資家がそこに投資し、その潤沢な資金でたくさんの奴隷が買われ、さらにプランテーションを拡大。砂糖の安定した供給の裏にはこうした西洋諸国の汚いやり口があったのです。

奴隷を働かせることでしかなりたたないプランテーションだけでも酷い話なのに、この映画ではさらに、その土地を持っている国から利権を奪うために奴隷たちを騙すようなことがいとも簡単に行われていたことに愕然とします。

映画の出来は洗練されているとは言い難いのですが、南米の歴史、砂糖の歴史、植民地の歴史を考えるのに大変いい映画だと思います。
トップスターと「ゴッド・ファーザー」のちょうど間くらいのマーロン・ブランドが出演しています。
ぜひ一緒に見て、ワイワイ話をいたしましょう。

    日時 : 2017年 11月19日(日)15:00〜 事前申し込の必要はありません
    場所 : 劇団どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
      新長田駅から大正筋を南へ12分
    参加費 : 500円(会場使用料として)

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第36回 小説を見事に映像化「蜘蛛女のキス」

さて2017年後半は南米シリーズと題しまして、南アメリカの映画を6回分取り上げたいと思います。
たくさんの国があり、素晴らしい作品も多いので、6作品を選ぶのに苦労しましたが、トップバッターは「蜘蛛女のキス」で南米映画の素晴らしさを再確認いたしましょう。

 

 蜘蛛女のキス
 [El Beso De La Mujer Araña / Kiss of the Spider Woman]
 監督 : エクトール・バベンコ
 1985年 ブラジル/アメリカ映画 121分


1976年にアルゼンチンで出版されてベストセラーとなったマヌエル・プイグ作の小説をレナード・シュレーダーが脚色し、監督エクトール・バベンコが映画化しました。

 あらすじ
ファシズムの風が吹くブエノスアイレスの刑務所に一緒に収監されているのは、未成年者に対する性的行為のかどで逮捕されたゲイのモリーナと、政治犯のヴァレンティン。
お互いに相手の生き方が理解できず反目し合っているのだが、モリーナはある日ヴァレンティンに映画のストーリーを語り始める。
やがて二人は心を通わせ、お互いの生き方を尊敬しあうようになる。しかしモリーナは刑務所長から、ヴァレンティンの革命組織の情報を聞き出したら出獄させてやると言われているのだった。

 

小説が大変すばらしくて、映画化されたと知った時見たいと強く思いました。小説がほとんど二人の会話とモリーナの語る映画の話で構成されており、読みながらこれを映像化したら素敵だろうなと思っていたからです。
そして実際に映画を見てみると、モリーナの語る映画がヴァレンティンの頭に描かれる映像になっているのに気づきました。つまり、映画のヒロインの顔がヴァレンティンの恋人なのです。あぁ、そういうことかと気づいてこの監督の手腕に感動しました。
主演のウィリアム・ハートは第58回アカデミー賞主演男優賞をはじめ、カンヌ映画祭など各国の賞を総なめ。今は亡くなったラウル・ジュリアも役柄にぴったりです。

ラストシーンは本当に胸が張り裂けそうになります。
レンタルビデオ店でもあまり見かけないので、どうぞこの機会にみなさんお越しください。
ぜひ一緒に見て感想を語り合いたいですね。

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     日時 : 2017年 10月29日(日)15:00〜 事前申し込の必要はありません
  場所 : 劇団どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
      新長田駅から大正筋を南へ12分
 参加費 : 500円(会場使用料として)
 

第35回 「風櫃の少年」さまざまな閉塞感に苛まれながら、一歩づつ大人になっていく少年。青春の終わりを見事に切り取った台湾ニューシネマ。

9月30日は中国シリーズの最終回を飾るのに、台湾映画を取り上げました。
思い込みで「風櫃の少年」の上映会をお知らせをしたものとばかり思っていましたが、10月の新シリーズを書く段になってやっと気がつきました。
事後報告になりましたので、今回は上映会当日にお話しされた嶋田邦雄さんの解説を載せたいと思います。

 風櫃の少年(ふんくいのしょうねん)
  [風櫃來的人]
 監督 : 侯孝賢
 1983年 台湾映画 (日本での公開1990年)
 101分

台湾の映画は、戦後国民党が中国本土から台湾へ移ってきたことにより北京語に統制され、内容もカンフーを中心に作られました。
しかし1980年代になって、台湾ニューシネマという新しいジャンルが生まれました。
それは、台湾の言葉を使い、台湾の普通の生活を描くというものです。
映画の世界でも政治の世界でも台湾のアイデンティティを求める動きが表面化してきたのでした。1986年には民進党が結成され、1987年には戒厳令が解除されたのです。
1947年の二・二八事件以来、40年間も国民党による独裁政治が続き、政府に反対する人々が投獄されたり殺されたりしていました。ニュースや映画などでご覧になった方も多いでしょう。
1983年に作られたこの映画が、1990年になってやっと日本で公開されたことが理解できました!

侯孝賢監督が1983年のそのような台湾の状況下でこの作品を撮ったということは実にすばらしいことですね。
つまり、主人公たちは確かに悪ガキなんだけれども、根っからのワルではなく、社会に対して自らドロップアウトしており、反対に出世成功している人はそういった社会の波を(心を殺して or 媚びへつらって)上手に泳いでいるということになります。
大きな出来事が起こるでもなく淡々と進むペースにちっとも嫌気がささないのは、映像の美しさと構図のおもしろさにあるでしょう。
若いときにみんな一度は感じる自分のまわりの小さな世界への閉塞感を見事に描いた作品だと思います。

 あらすじ
台湾の風櫃という漁師町に住む阿清(アチン)、阿栄(アロン)、郭(グォズ)たちは、対立する不良グループと喧嘩したり、だらだら過ごしたり、毎日を無為に暮らしている。阿清の父親は頭蓋骨が陥没する重度障害者で、彼はそんな父親の世話をするのもうんざりしていた。
そんなとき、いつもの喧嘩が警察沙汰となり、阿清たちは家を出て高雄に行くことに決める。
高雄に住む阿栄の姉さんの紹介で住むところと仕事先を世話してもらうのだが、下宿先には仕事場の先輩とその恋人小杏(シャオシン)が住んでいた。
ところが、先輩は工場の部品を横流ししていることが発覚したため、小杏を置いて出て行ってしまう。小杏に好意を寄せる阿清。そこに父親の訃報が届き……
さまざまな閉塞感に苛まれながら、一歩づつ大人になっていく少年。青春の終わりを見事に切り取った台湾ニューシネマ。

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第34回 「現場報告 ガザ2016・ケニア2017 : わたしの協力、わたしの挑戦」開催のお知らせ

世界では刻々と情勢が変化し、また複雑になっています。
政治、経済、紛争などが日本にも影響を及ぼすという理由で世界情勢に関心を持つことも重要ですが、生まれた国が違っただけで、現在たった今を困難に生きている人々がいるということに思いを馳せ、その解決方法を考えていくことも大切だと思います。

新長田まちなか勉強会では、外部の専門家をお招きして講演をしていただいたり、世界の映画作品を鑑賞したりして、歴史や社会構造を勉強してきました。
今回は、NGO活動を通してパレスチナケニアで国際協力を行ってきた多田茉莉絵さんをお迎えして、パレスチナガザ地区ヨルダン川西岸地区、及びケニアの西部カカメガの最新情報を伝えていただきます。
中東のニュースがISIS一辺倒になり、パレスチナ問題が忘れかけられている今、貴重なお話が伺えると思います。
また、日本にはあまり入ってこないアフリカの様子も知れるでしょう。

当日は、たくさんのスライド写真を見ながら、現地の最新情報と国際協力の現場とその問題点について語っていたく予定です。
このお話で、現在世界に広がる「格差」と「紛争」について問題提起ができたらと思っています。

たくさんのみなさんのご参加をお待ちしております。

二部構成になっています。第1部「パレスチナ」、第2部「ケニア」のうち、関心のある部だけ参加することも可能です。

<パンフレットより抜粋>

 パレスチナ自治区ガザは2014年夏イスラエルからの激しい空爆を受けインフラ機能が壊滅状態になりましたしかし政治間対立のため人は現在も塀の中に隔離されたまま困窮をきわめています私の所属するNGOは井戸の修繕・建設による生計回復支援を行いました
 一方ケニアは都市部の発展に対し農村部では感染症の蔓延、土壌劣化、低い生産性などさまざまな問題により格差が広がっていますそんな取り残された農村にエコサントイレという環境衛生トイレを導入し村民の公衆衛生を図りトイレから採れた肥料を利用して農業収入を創出する支援をしてきました
 今回は国際援助の理論と現場とのギャップに悩んだ日を振り返り日本のNGOによる国際協力と私の理想とする国際協力を語りますまたガザ地区ケニア西部の現況をスライドでたっぷりご紹介する予定です

 日時 : 2017年 9月24日(日)
     第1部:13:00-14:30 パレスチナ
     第2部:15:00-16:30 ケニア
 場所 : どろアトリエ (新長田アスタくにづか5番館2階)
     地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
     新長田駅から大正筋を南へ12分
 料金 : 500円
 予約 : https://ws.formzu.net/fgen/S27853230/
      shinnagatamachinaka@yahoo.co.jp
      当日参加も歓迎します。

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第33回 『ドリアンドリアン』香港の風俗でガッツリ稼いだ女の子はその後どう生きていく

毎日暑いですがお元気でお過ごしでしょうか。
次の映画会のお知らせです。

中国シリーズ5回目は香港映画を取り上げます。
中国の春秋戦国時代を題材にした「運命の子」により、王朝が変わる際の前政権の血筋を根こそぎ断つ様子を見ました。
あの子を探して」では都会と田舎の発展の落差を知りました。
トゥヤーの結婚」では内モンゴル自治区の生活と生態移住を学びました。
長江哀歌」は政府が掲げる国家的大事業の陰では地元住民や低所得者層がどのような様子なのか理解できました。


そして今回上映する「ドリアンドリアン」は中国東北部の牡丹江から香港に出稼ぎにやってきたクールな女の子のお話です。

 ドリアンドリアン
  [Durian Durian]
 監督 : フルーツ・チャン
 2000年 香港映画

中国東北部牡丹江から香港にやってきたイエンは、風俗で働いて働いて金を稼ぎまくります。彼女に悲壮な感じは全く見られません。いたってドライ。体を売るのは金を儲けることと割り切って、淡々と客をとります。
客の体を洗うので手や足の皮がむけたり、いつも用心棒に見張られたりといった細かい難点はありますが、客待ちの間ごはんをモリモリ食べて実にバイタリティにあふれています。
そんなある日イエンは、家族で中国本土から不法入国してきた少女ファンと仲よくなります。ファン一家が住む路地裏はイエンが仕事で使う宿の通り道なのでした。
やがて3週間の就労ビザが切れ、イエンは大金を手にして故郷に戻ります。家族や親戚はイエンが香港で成功して戻ったと思い込んでいます。
さて大金を稼いでもしたいことが見つからない田舎暮らしで、イエンは今後どう生きていくのでしょうか。
映画を観終わった後、なぜドリアンが小道具に使われたのかを話し合うと楽しいかもしれませんね。
ぜひお越しください。

   日時 : 2017年 8月27日(日)15:00〜 当日参加歓迎 
 場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
      新長田駅から大正筋を南へ12分
 参加費 : 500円(会場使用料として)

 

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第32回 『長江哀歌(エレジー)』大きく変化する中国とそこで地道に生きる人 

7月の映画会はもう次の日曜日に迫ってしまいました。
お知らせが遅くなり申し訳ありません。
中国シリーズの第4回目は賈 樟柯(ジャ・ジャンクー)監督です。

 長江哀歌(エレジー)
  [三峡好人]
 監督 : ジャ・ジャンクー(賈樟柯)
 2006年 中国映画

原題の「三峡好人」は三峡の善人という意味ですが、三峡は中国の長江本流にある三つの峡谷のことで、漢詩水墨画に出てくるあの美しい峡谷です。
ブレヒトくらぶの方ならこの題名を聞いてすぐに「セチュアンの善人」を思いつくでしょう。セチュアンは四川のドイツ語(英語)読みですね。
この三峡に世界最大の水力発電ダムが建設されました。町がダムの底に沈むということで110万人が強制退去、名所旧跡も水没してしまったそうです。

映画は16年前に別れた妻子に会うために、男が船で三峡にやって来るところから始まります。
妻の住所はすでにダムの底に沈んでおり、町の解体作業をしながら妻の居所を探すことにしました。住民が移動したあとの建物の解体です。

おなじころ、別の女は2年間家に帰ってこない夫を探しに、やはり三峡にやってきます。ところが夫はすでに別の会社に移っており、住民を強制退去させる仕事をして儲けているようです。また浮気もしているようです。

この二人に係わる現地の人々と発展する中国とを見事に対比させ、時代の波に翻弄されながらも地道に生きる人たちを暖かく見つめる監督の気持ちが伝わってきます。

ジャ・ジャンクー監督は初め、記録映画としてこの地域を撮っていたそうです。ところが映画にも出てくる「サンミンに10元を渡す男」を撮影した時、ドキュメンタリーの限界を悟ったそうです。よそ者には当地であのような巨大な変動を本当に経験している人の理解に達することはできない。ではむしろよそ者の視線で描こうではないかと。
また、公開日を商業「大作」チャン・イーモウ(張芸謀)の『王妃の紋章』にわざとぶつけたそうです。
このような裏話も踏まえて、一緒に鑑賞しましょう。
お待ちしています。

 日時 : 2017年 7月9日(日)15:00〜 申し込み不要 
 場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
      新長田駅から大正筋を南へ12分
 参加費 : 500円(会場使用料として)

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