4月から新しいシリーズが始まります。中国人監督の作品を取り上げて半年間鑑賞しましょう。
まず最初は、
チェン・カイコー(陳凱歌)監督の『運命の子』です。
2010年12月公開 128分
孔子編纂の歴史書『春秋左伝』や司馬遷の『史記』にも登場する話で、中国で長く語り継がれてきた悲劇です。
これは中国春秋時代の晋の君主、景公の時代の復讐劇なのですが、景公在位年代を調べてみたところ紀元前600年から紀元前581年!!
紀元前って・・・あなた・・・。聖徳太子の大化の改新645年の1200年以上前ですよね。日本はそのころ文明はあったのでしょうか? 中国文明のすごさに圧倒されます。
この歴史物語がやがて元の時代に「趙氏孤児」という戯曲になり、いろいろな種類の芝居で演じられるようになりました。これはヨーロッパにも伝わり多くの翻案が作られたそうです。
映画では、趙氏孤児の身代わりになるのは育ての親自身の子という設定にして、さらに悲劇的要素を強めています。浄瑠璃の『菅原伝授手習鑑』の「寺子屋の段」で、自分の子どもの首を差し出すシーンがありますが、自分の子どもを身代わりにして主君の子どもを守るなんて、考えただけでも胸が苦しくなります。
この話は復讐劇ですが、さてどのように復讐するのでしょうか。
4月からの新シリーズにぜひお越しください。
あらすじ
晋の国の宰相趙氏は、ライバルにより晋王殺害の罪を着せられ、一族を皆殺しにされてしまう。 趙朔の妻は趙氏最後の生き残りの男児を出産するが、夫を殺されたことをはかなみ赤ん坊を医者に託して自害。医者は遺児を自宅に連れ帰り育てることにする。 ところが町では屠岸賈により趙氏の忘れ形見の大捜索が始まっていた。兵士たちが次々と赤ん坊を奪い去っていく。医者はほぼ同時期に生まれた自分の子どもと妻をかくまってもらうが、屠岸賈に呼び出されてしまい、ついに・・・。 一方遺児は医者を「父さん」、屠岸賈を「父上」と呼んで二人から愛情を受けて育っていく。
日時 : 2017年 4月30日(日)15:00〜 申し込み不要
場所 : どろアトリエ
(新長田アスタくにづか5番館2階奥)
地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
新長田駅から大正筋を南へ12分
参加費 : 500円(会場使用料として)