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新長田まちなか勉強会

神戸市の新長田で、映画、音楽、本、地図、芸能、あらゆる “もの” を通して、古今東西の社会情勢や歴史、背景などを楽しく勉強しましょう。表面的な出来事の背後にある大切なものを見る目を養い、みんなで話し合うことによりたくさんの異なる視点を得ることができます。実際は、わいわい楽しみながら感想を語り合いつつ社会問題に迫っていく感じ。

第24回 『主婦マリーがしたこと』フェミニズムの切り口から見てみてもいいかも

次のビデオ上映会のお知らせです。

主婦マリーがしたこと
【Une affaire de femmes】
監督 : クロード・シャブロル
1988年 フランス映画 108分

題名にぎょっとしますね。さて、マリーは何をしたのでしょう。
それは堕胎を手伝ったのです。
舞台は第2次世界大戦中のフランス。ほとんどの男たちは戦地に赴いており、今妊娠したということは、夫の子どもではないということ。そんな当時のある日、アパートの隣に住む主婦が妊娠して困っているところに出くわしたマリーは、ひょんなことから堕胎を手伝ってあげました。そしてお礼に蓄音機をもらいます。
蓄音機で音楽を聴きながら、つかの間、戦中の苦しさを紛らわしていたところ、うわさを聞きつけた女たちが堕胎手術を求めてやってきます。これによりマリーは少し金持ちになることができました。
さらに、知り合った娼婦に空いている部屋を売春宿として使わせてあげたところ喜ばれ、これまた商売として手広く営んでまいります。けっこうな贅沢三昧の暮らしができるようになりました。
そんなところへ、戦地から負傷した夫が帰ってきます。でもマリーはもう夫に愛は残っていませんでした。
愛人を作って贅沢な暮らしをし、自分を邪険にするマリーに腹を立てた夫は、なんと・・・。

無免許の堕胎手術はもちろん法律違反です。
でも困っている女性を助け、自立して自分の商才で金持ちになるなんぞ、すばらしいことだと思います。でもナチスの顔色を伺い、閉塞感のあるフランスはマリーに過酷な最期を与えました。時代とカトリックが絡み合って、不幸な結末を招いたのだと思います。
男だったら法律違反して成金になっても、当たり前すぎて映画にはならないでしょう。
そして、まだこの時代こんな刑があったんだなぁと、フランスという国にびっくりします。

ぜひご覧ください。
いつもと時間が変わっています。ご注意くださいね。

日時 : 2016年124日(日)4:00 申し込み不要 
場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅上2分
      新長田駅から大正筋を六間道商店街まで南へ10分
参加費 : 500円 (会場使用料として)

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第23回 『死刑台のエレベータ』 〜映像と音楽のスタイリッシュな融合を楽しむ

さて次回の映画は
『死刑台のエレベータ』
  Ascenseur pour l'échafaud
 監督 ルイ・マル
 出演 ジャンヌ・モロー
 音楽 マイルス・デイビス
 制作 1958年 フランス映画  91分

 ルイ・マル監督は1956年に海洋学者のクストー隊長と海底のドキュメンタリー映画を撮っていましたが、この『死刑台のエレベータ』を自主制作で監督し、本格的なデビューを果たしました。
 ルイ・マルといえば、『地下鉄のザジ』『ルシアンの青春』『さよなら子供たち』など、新長田まちなか勉強会で取り上げたい作品がたくさんあったのですが、ジャズの即興を斬新な映像に被せるという演出をデビュー作でやってのけたということで、今回はそれを鑑賞したいと思います。

 いきなり電話で愛を語り合うシーンで始まります。主人公のジュリアンは社長夫人と不倫関係にあって、二人で示し合わせて社長を殺す計画を立てるのですが、犯行後現場にロープを忘れてきてしまいました。そこで取りに戻るのですが、なんとエレベータに閉じ込められてしまいます。  一方、街のゴロツキ男は、ジュリアンに憧れる花売り娘と共に、外に止めてあったジュリアンの車を盗んで、殺人事件を犯しますが、車のせいでジュリアンが疑われてしまいます。
 二組の若いカップルの行動に被せられる音楽は、マイルス・デイビスのトランペット。
 マイルスがフランスに演奏でやって来た時、ルイ・マルが頼み込んで音楽を引き受けてもらったそうです。

どうぞみなさん、お越しください。

 

 日時 : 2016年11月13日(日)3:00〜 申し込み不要

 場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅上2分
      新長田駅から大正筋を六間道商店街まで南へ10分

 参加費 : 500円 (会場使用料として)

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第22回 新シリーズ「フランス映画でみる映画のルーツへの旅」 〜『大いなる幻影』

ソヴィエトシリーズが終わり、フランス映画シリーズが始まります。

フランスは1895年にルミエール兄弟によって初めて映画が上映された国です。
フランス映画が、商業主義的・戦争鼓舞の手段として作られてきたハリウッド映画とは一線を画している点に注目して、半年間フランス映画を見てみようという企画です。

シリーズ命名にあたって、上映の前後にレクチャーをしてくださる嶋田邦雄さんが次のことを書いていらっしゃいます。
「映画はその根源に資本主義的な生産工程、様式と切っても切れない関係があります。その生い立ちを逆手にとって世界の、人間の矛盾や可能性、希望や絶望を映像化する映画製作は演劇と対峙する素晴らしい芸術表現形態だと思います。そのことを再確認する思いも込めて‟映画のルーツへの旅”とのタイトルを考えてみた次第です。」

というわけで、その巻頭を飾るのは
大いなる幻影

 【La Grande Illusion】
監督 ジャン・ルノワール
1937年 フランス映画 114分

第1次世界大戦のお話です。
二人のフランス兵が乗った飛行機が撃墜され、ドイツ軍の捕虜となりました。一人は貴族のボアルディー大尉。もう一人は機械工のマレシャル(ジャン・ギャバン)。ドイツの収容所では、貴族出身のラウフェンシュタイン(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)が二人をていねいに扱います。ボアルディーとラウフェンシュタインは同じ貴族出身ということで、敵味方を超えた友情を感じます。さらにロザンタァルという金持ちのユダヤ人も加わって、収容所は様々な身分、国籍の人間が集まります。
ある日彼らはスイス国境近くの収容所に移送されますが、そこに新しくやってきた所長はラウフェンシュタイン。彼はボアルディーに再会できたのを非常に喜びます。一方マレシャルとロザンタァルは脱走計画をたててますが・・・・

身分、民族、貧富、敵味方を超えた友情。
生まれた国が違うという理由だけで殺し、国境を超えたからといって撃たない戦争の矛盾。
いろいろ深く考えさせられつつ、美しい物語です。
ぜひ会場にお越しください。

日時 : 2016年10月16日(日)3:00〜 申し込み不要

 場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅上2分
      新長田駅から大正筋を六間道商店街まで南へ10分

 参加費 : 500円 (会場使用料として)

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第21回 シリーズ最終を飾る『エルミタージュ幻想』〜最後の15分だけでも見る価値あり

シリーズ「秀作の巨大な鉱脈 ソビエト映画とその遺産」で半年間ソビエト・ロシア映画を鑑賞してきましたが、
とうとうシリーズ最終作となりました。

そして最終作にふさわしい作品をご紹介します。
エルミタージュ幻想
【Russian Ark / Русский ковчег】

監督 : アレクサンドル・ソクーロフ
2002年 ロシア映画 99分

 世界遺産でもあるロシアのサンクトペテルブルクにある美術館に、美術品が展示されたままの状態でカメラを持ち込み、ロシアロマノフ王朝の300年の歴史絵巻が繰り広げられます。

案内役は19世紀のフランス外交官という設定。彼が部屋部屋を巡りながら、ピョートル大帝、エカテリーナ2世、ニコライ1世2世などの歴史的な瞬間に立ち会っていきます。
過去と現代に時々スリップしながら見事な回廊や大広間をさまよううち、華麗な舞踏会が始まります。
最初に出会った人は舞踏会に参加するためにやって来たのですね。

舞踏会を終えた人々が大階段をさんざめきながら降りてくるシーンは圧巻。
用事のある人は最後の15分だけいらしても、十分見ごたえあると思います。

日時 : 2016年9月11日(日)3:00〜 申し込み不要

 場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅上2分
      新長田駅から大正筋を六間道商店街まで南へ10分

 参加費 : 500円 (会場使用料として)

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第20回 心洗われる映画『誓いの休暇』で、暑苦しい日本の休暇を乗り切ろう

シリーズ「秀作の巨大な鉱脈 ソビエト映画とその遺産」8月の会のお知らせです。
毎日毎日暑くて、ついこのブログを更新するのを忘れてしまいました。

『誓いの休暇』
『БАЛЛАДА О СОЛДАТЕ』
監督グリゴーリ・チュフライ 1959年 ソ連映画 89分

 この映画は、残酷な戦闘シーンがないのにもかかわらず、見終わった後、絶対に戦争は許せないという気持ちがふつふつと湧いてくる映画です。

 主人公のアリョーシャは無我夢中で応戦した結果、敵の戦車を炎上させました。これにより勲章をもらえることになったのですが、アリョーシャは褒美として、故郷に一人の残るお母さんのために家の屋根を直しに帰りたいと申し出ます。
 さて、たった6日間の休暇だというのに、駅では足を失って妻に会うのをためらう兵士に付き添ったり、言付かった石鹸を届けたりと、他人のためにどんどん時間が取られていきます。
 そんな中でも、列車の中で会った美しい娘との淡い恋愛は、アリョーシャの行く末を知っている観客にとって少し救われた気がします。
 いつも全力で行動するアリョーシャと戦争に翻弄される市井の人々に、心温かくなると同時に、非常に虚しくなる映画でもあります。
 ぜひ会場にお越しください。

 日時 : 2016年8月21日(日)3:00〜 1 申し込み不要

 場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅上2分
      新長田駅から大正筋を六間道商店街まで南へ10分

 参加費 : 500円 (会場使用料として)

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第19回 ロシアの没落貴族「持参金がない娘」が嫁に行くには・・・

ソビエト映画シリーズの7月映画会のおしらせです。

『持参金のない娘』
   ЖЕСТОКИЙ Романс

監督:エリダル・リャザーノフ
1984年 ソ連映画 145分

 舞台は革命前の1870年頃。ボルガ河畔の波止場でオグダーロワ夫人は、娘が嫁ぐのを見送っています。三女のラリーサも姉たちと同様に持参金なしで嫁がさなければなりません。
 ラリーサには金持ちのクヌーロフ、幼ななじみのヴォジェワートフ、貧しい官吏のカランデイシェフらが言い寄っていましたが、ラリーサは地主で貴公子のパラートフに気がありました。
 ところがある日、パラートフは一方的に去っていきます。ラリーサは母親の選んだグリャーエフという男と結婚しなければならなくなりますが、その男は銀行のお金を着服して逮捕。しかたなくラリーサは風采の上がらないカランディシェフとの結婚に踏み切ります。
 ちょうどそこへパラートフが再び現れたのですが、……

 恋愛のもつれによるとんでもないエンディングを伴って、壮絶な人間ドラマが描かれていますが、ロシア貴族の暮らしやボルガ河の景色、美しい音楽、とても楽しめる映画です。

 どうぞみなさんお越しください。

日時 : 2016年 7月21日(日) 3:00~  申込み不用 

場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅上2分
      新長田駅から大正筋を六間道商店街まで南へ10分

参加費 : 500円 (会場使用料として)

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第18回 『僕の村は戦場だった』 〜「映像の詩人」が描いた美しい記憶と、現実

6月の映画会のおしらせです。

僕の村は戦場だった
   Иваново детство

監督:アンドレイ・タルコフスキー
1962年 ソ連映画 91分

第二次大戦中のソビエトでのできごと。
美しい村に住む少年イワンはドイツ軍に両親と妹を殺され、今は大人の兵隊に混じって敵地の偵察任務に協力していました。

 
その日もイワンは命がけの任務を遂行し、重要な情報を持って帰ります。
上官はもうこれ以上任務を続けなくてもいいから、学校へ通うよう言いますが、復讐心に燃えるイワンはさらに危険な前線へと向かいました。

アンドレイ・タルコフスキー監督は、過酷な戦争シーンに、平和だった頃の美しい描写を挟み込むことにより、戦争の愚かさを描きました。戦争さえなければずっとこの世界が続いていたのに・・・。

上映前後にブレヒトくらぶ嶋田邦雄氏によるレクチャーがあります。作品を見るための予備知識や解釈の手がかりになって、映画が2倍楽しめますよ。
どうぞみなさん、お越しください。

日時 : 2016年 6月19日(日) 3:00~  申込み不用 

場所 : どろアトリエ

  (新長田アスタくにづか5番館2階奥)

    地下鉄海岸線駒ヶ林駅上2分

   新長田駅から大正筋を六間道商店街まで南へ10分

参加費 : 500円 (会場使用料として)

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