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新長田まちなか勉強会

神戸市の新長田で、映画、音楽、本、地図、芸能、あらゆる “もの” を通して、古今東西の社会情勢や歴史、背景などを楽しく勉強しましょう。表面的な出来事の背後にある大切なものを見る目を養い、みんなで話し合うことによりたくさんの異なる視点を得ることができます。実際は、わいわい楽しみながら感想を語り合いつつ社会問題に迫っていく感じ。

第29回 中国映画シリーズが始まります。チェン・カイコー『運命の子』

4月から新しいシリーズが始まります。中国人監督の作品を取り上げて半年間鑑賞しましょう。
まず最初は、
チェン・カイコー(陳凱歌)監督の『運命の子』です。
2010年12月公開 128分

 孔子編纂の歴史書『春秋左伝』や司馬遷の『史記』にも登場する話で、中国で長く語り継がれてきた悲劇です。
 これは中国春秋時代の晋の君主、景公の時代の復讐劇なのですが、景公在位年代を調べてみたところ紀元前600年から紀元前581年!!
紀元前って・・・あなた・・・。聖徳太子大化の改新645年の1200年以上前ですよね。日本はそのころ文明はあったのでしょうか? 中国文明のすごさに圧倒されます。
 この歴史物語がやがて元の時代に「趙氏孤児」という戯曲になり、いろいろな種類の芝居で演じられるようになりました。これはヨーロッパにも伝わり多くの翻案が作られたそうです。
 映画では、趙氏孤児の身代わりになるのは育ての親自身の子という設定にして、さらに悲劇的要素を強めています。浄瑠璃の『菅原伝授手習鑑』の「寺子屋の段」で、自分の子どもの首を差し出すシーンがありますが、自分の子どもを身代わりにして主君の子どもを守るなんて、考えただけでも胸が苦しくなります。
 この話は復讐劇ですが、さてどのように復讐するのでしょうか。

4月からの新シリーズにぜひお越しください。

あらすじ
晋の国の宰相趙氏は、ライバルにより晋王殺害の罪を着せられ、一族を皆殺しにされてしまう。 趙朔の妻は趙氏最後の生き残りの男児を出産するが、夫を殺されたことをはかなみ赤ん坊を医者に託して自害。医者は遺児を自宅に連れ帰り育てることにする。 ところが町では屠岸賈により趙氏の忘れ形見の大捜索が始まっていた。兵士たちが次々と赤ん坊を奪い去っていく。医者はほぼ同時期に生まれた自分の子どもと妻をかくまってもらうが、屠岸賈に呼び出されてしまい、ついに・・・。 一方遺児は医者を「父さん」、屠岸賈を「父上」と呼んで二人から愛情を受けて育っていく。

  日時 : 2017年 4月30日(日)15:00〜 申し込み不要 
  場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
      新長田駅から大正筋を南へ12分
  参加費 : 500円(会場使用料として)

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第28回 『フォー エヴァー モーツアルト』 ヌーヴェルヴァーグの旗手ゴダールをあえて90年代作品で

 フランス映画シリーズの最後の作品にジャン=リュック・ゴダールを配しましたが、『勝手にしやがれ』でもなく『気狂いピエロ』でもなく、あえて『フォーエヴァー・モーツアルト』です。
 ジャン=リュック・ゴダールといえば、初期のころから政治的テーマや政治的主張を作品に織り込んでおり、この作品でもサラエヴォ紛争を取り上げています。
 また、題名はフォーエヴァー・モーツアルトなのになぜかベートーヴェンピアノ協奏曲第5番で始まり、モーツアルトの最後のピアノ協奏曲第27番で締めくくられます。モーツアルトベートーヴェンも同じ古典派の時代の偉大な作曲家ですが、作曲へのアプローチが違います。モーツアルトは古典派の形式の中で作曲し、ベートーヴェンは自由度が高く、ショパンなどに代表されるロマン派へと続く流れを感じます。こうした情報も手がかりの一つとして、映画鑑賞後に意見の交換をしましょう。


 あらすじ  

 映画監督ヴィッキー・ヴィタリスはオーディション中に、男爵と呼ばれるプロデューサーのフェリックスから「宿命のボレロ」という映画の監督を頼まれます。
 ヴィッキーの娘のカミーユと従兄弟は紛争中のサラエヴォで芝居を上演しようし、ヴィッキーも同行することになります。メイドのジャミラも連れて行かれましたが、途中でヴィッキーは脱落します。サラエヴォで3人は捕虜となってしまい・・・。
 一方3人と別れたヴィッキーはパリに戻り、男爵の依頼を引き受けて「宿命のボレロ」を撮影しますが、女優に「ウイ」の一言で何度も駄目出しをします。
 音楽会ではモーツアルトが現れ、最後のピアノ協奏曲第27番で映画は締めくくられます。

 Forever ではなく For ever なのは
 “pour rever Mozart” の英語読みだから。 “for dream Mozart” 

 

 日時 : 2017年 3月5日(日)15:00〜 申し込み不要 
 場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅すぐ
                        新長田駅から大正筋を南へ12分
 参加費 : 500円(会場使用料として)

 

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第27回 『去年マリエンバートで』 Xの記憶、Aの記憶、嘘、事実、真実

次回のビデオ上映会のお知らせです
去年マリエンバートで

【L'Année dernière à Marienbad】
 監督 : アラン・レネ
 脚本 : アラン・ロブ=グリエ
 フランス・イタリア合作映画 1961年 94分

男が豪華装飾の建物に入っていくところから映画は始まります。不気味なオルガンの音色に乗せて延々繰り返されるモノローグ。
どうやら金持ちが集まっているホテルだと気づくのですが、人々は表情がなかったり静止状態だったり、庭園の木に影がなかったり、現実の世界とは思えません。

男は言います。「私達は会ったことがあります。去年、フレデリクスバートで。でなかったら、カルルスタットか、マリエンバートで。あるいはここで」
タイトルの「マリエンバートで」が「フレデリクスバートで」となっていないところからして、曖昧で事実かどうかわからないということを伝えてる気がします。

男は、あなたはこうでした、あの時あなたはこう言いましたと、女に言いつづけるのですが、女は「いいえ。そんなことはありません」と否定します。男が何度も言ううちに、女の記憶は変わり、ついに二人は・・・

それぞれの記憶では、衣装も違っているし、風景も違っています。同じ彫刻なのに、置かれている場所や角度が違っています。
いったい誰の記憶が正しくて、誰が嘘をついているのか。それともそんな事実は最初からなかったのか。

これは、意味を考えて見るよりも、映画の世界にどっぷりと入り込み、それぞれの人物の記憶に身を任せると、とても面白い映画だと思いますよ。

映画の後で、あそこはあーだ、こーだと語り合いましょう。

日時 : 2017年 2月12日(日)15:00〜 申し込み不要 
 場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅上2分
      新長田駅から大正筋を六間道商店街まで南へ10分
 参加費 : 500円(会場使用料として)

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第26回 演じても演じても返しきれない恩『ピエロの赤い鼻』

次回のビデオ上映会のお知らせです
新年最初の演目は

ピエロの赤い鼻
【EFFROYABLES JARDINS】
 監督 : ジャン・ベッケル
  フランス映画 2003年 95分

 恋のさや当てから、軽い気持ちでやらかした似非レジスタンス活動がとんだ悲劇を招いてしまいました。
 映画は、父親が赤い鼻をつけピエロに扮してみんなの笑いの的になるのを息子が不満に思っているところから始まります。そんな息子に父の親友のアンドレが理由を語り始めます。
 ナチス占領下のフランス、ジャックとアンドレは女の子にいいところを見せようと軽いノリで、ドイツ軍が輸送に使う鉄道のポイントを爆破します。ところがポイントの切替所には宿直のおじいさんがいて大怪我をさせてしまうのですが、そんなことは知る由もく、ジャックたちは祝杯をあげていると、まもなくドイツ軍がやってきて二人は捕らえられしまいました。
 ドイツ軍は言います。爆破犯が自首するまで村人4人を人質にすると。他に二人の男も捕まって4人は大きな穴に突き落とされてしまいます。次の日までに名乗り出る人がいないと殺されてしまうという恐怖にあせっていると、穴の上から一人のドイツ兵が姿を現わし、ピエロの芸当を始めます。最初は訝しがっていましたが、ピエロが笑わせてくれることで緊張がほぐれ、次第に赤鼻のドイツ兵と心が通じ合ってきます。  心が通じ合った結果、ドイツ兵は死んでしまいます。そして大怪我をしたおじいさんもある決意をします。
 みんなの不幸を背負って、今の幸せを噛み締めるジャックができる恩返しは・・・。
 
 ジャックの息子は父親を理解できるでしょうか。一緒に見ましょう。どうぞお越しください。


 日時 : 2017日(月・祝日15:00〜 申し込み不要 
 場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅上2分
      新長田駅から大正筋を六間道商店街まで南へ10分
 参加費 : 500円(会場使用料として)

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第25回 元日銀職員による今さら聞けない経済と金融のおはなし :生活の基本である経済と金融の仕組みがわかれば世の中の課題が見えてくる

12月の新長田まちなか勉強会は経済の講演会とビデオ上映会の2本立てです。
料金は通しで500円。安い!
講演会にご参加頂いた方は、ビデオ上映を引き続きご覧いただけます。

 日時 : 2016年124日(日)13:30 申し込み不要 
 場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅上2分
      新長田駅から大正筋を六間道商店街まで南へ10分
 参加費 : 500円 


日本銀行職員の東屋 弘(あずまや ひろし)氏をお迎えして、
私たちの暮らしと密接に関わる経済と金融の話をしていただきます。

私たちが普段なんとなく話題にしている「景気がいい悪い」「物価が高い安い」「投資って?」など、この際しっかり学びましょう。
さらに、経済格差、ブラック企業、ゼロ金利など、現在日本で起こっている様々な問題や、日米安保条約を含めた世界の情勢のことを、元日銀職員だから知り得た裏の裏のエピソードを交えて教えていただきます。どの問題も経済のことを抜きにしては語れません。

そうすることにより、世の中の課題が浮き彫りになり、私たちが次に何を行動に移せばいいかが見えてきます。
是非お越しください。

問い合わせ     : 090-1139-1945 (中島)

         shinnagatamachinaka@yahoo.co.jp

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第24回 『主婦マリーがしたこと』フェミニズムの切り口から見てみてもいいかも

次のビデオ上映会のお知らせです。

主婦マリーがしたこと
【Une affaire de femmes】
監督 : クロード・シャブロル
1988年 フランス映画 108分

題名にぎょっとしますね。さて、マリーは何をしたのでしょう。
それは堕胎を手伝ったのです。
舞台は第2次世界大戦中のフランス。ほとんどの男たちは戦地に赴いており、今妊娠したということは、夫の子どもではないということ。そんな当時のある日、アパートの隣に住む主婦が妊娠して困っているところに出くわしたマリーは、ひょんなことから堕胎を手伝ってあげました。そしてお礼に蓄音機をもらいます。
蓄音機で音楽を聴きながら、つかの間、戦中の苦しさを紛らわしていたところ、うわさを聞きつけた女たちが堕胎手術を求めてやってきます。これによりマリーは少し金持ちになることができました。
さらに、知り合った娼婦に空いている部屋を売春宿として使わせてあげたところ喜ばれ、これまた商売として手広く営んでまいります。けっこうな贅沢三昧の暮らしができるようになりました。
そんなところへ、戦地から負傷した夫が帰ってきます。でもマリーはもう夫に愛は残っていませんでした。
愛人を作って贅沢な暮らしをし、自分を邪険にするマリーに腹を立てた夫は、なんと・・・。

無免許の堕胎手術はもちろん法律違反です。
でも困っている女性を助け、自立して自分の商才で金持ちになるなんぞ、すばらしいことだと思います。でもナチスの顔色を伺い、閉塞感のあるフランスはマリーに過酷な最期を与えました。時代とカトリックが絡み合って、不幸な結末を招いたのだと思います。
男だったら法律違反して成金になっても、当たり前すぎて映画にはならないでしょう。
そして、まだこの時代こんな刑があったんだなぁと、フランスという国にびっくりします。

ぜひご覧ください。
いつもと時間が変わっています。ご注意くださいね。

日時 : 2016年124日(日)4:00 申し込み不要 
場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅上2分
      新長田駅から大正筋を六間道商店街まで南へ10分
参加費 : 500円 (会場使用料として)

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第23回 『死刑台のエレベータ』 〜映像と音楽のスタイリッシュな融合を楽しむ

さて次回の映画は
『死刑台のエレベータ』
  Ascenseur pour l'échafaud
 監督 ルイ・マル
 出演 ジャンヌ・モロー
 音楽 マイルス・デイビス
 制作 1958年 フランス映画  91分

 ルイ・マル監督は1956年に海洋学者のクストー隊長と海底のドキュメンタリー映画を撮っていましたが、この『死刑台のエレベータ』を自主制作で監督し、本格的なデビューを果たしました。
 ルイ・マルといえば、『地下鉄のザジ』『ルシアンの青春』『さよなら子供たち』など、新長田まちなか勉強会で取り上げたい作品がたくさんあったのですが、ジャズの即興を斬新な映像に被せるという演出をデビュー作でやってのけたということで、今回はそれを鑑賞したいと思います。

 いきなり電話で愛を語り合うシーンで始まります。主人公のジュリアンは社長夫人と不倫関係にあって、二人で示し合わせて社長を殺す計画を立てるのですが、犯行後現場にロープを忘れてきてしまいました。そこで取りに戻るのですが、なんとエレベータに閉じ込められてしまいます。  一方、街のゴロツキ男は、ジュリアンに憧れる花売り娘と共に、外に止めてあったジュリアンの車を盗んで、殺人事件を犯しますが、車のせいでジュリアンが疑われてしまいます。
 二組の若いカップルの行動に被せられる音楽は、マイルス・デイビスのトランペット。
 マイルスがフランスに演奏でやって来た時、ルイ・マルが頼み込んで音楽を引き受けてもらったそうです。

どうぞみなさん、お越しください。

 

 日時 : 2016年11月13日(日)3:00〜 申し込み不要

 場所 : どろアトリエ
    (新長田アスタくにづか5番館2階奥)
      地下鉄海岸線駒ヶ林駅上2分
      新長田駅から大正筋を六間道商店街まで南へ10分

 参加費 : 500円 (会場使用料として)

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